So-net無料ブログ作成
前の10件 | -

エイチ・アイ・エスの株主総会 [株主総会]

昨日はエイチ・アイ・エスの株主総会がありました。
10月決算の企業はなかなか無いので、この時期にポツンとあるこの総会は、何度か出席しています。例の肺炎の影響なのか、今年は出席者が少ないように思いました。
こういう若い会社は熱心な株主さんたちが活発に質問や意見をなさるので、それが興味深くて学ぶところも多々あるのですが、昨日はちょっと盛り上がりに欠けたかな。

事業報告の最初に、「観光バスの安全性の確保」というトピックを持ってくるセンスは好ましいですね。新しくて派手なことをひけらかすのではなく、地味で大切なことを大切だと。そういう何でもないように見える事業が、往々にしてキャッシュカウだったりします。

Q&Aの最初は、宮城県に建設予定のバイオマス発電所の件についてでした。このプロジェクトが国際的な環境団体から反対運動を受けている、という話。実は不勉強なことに、私、全くこの件について知りませんでした。この数人あとにもう一人、別の株主がこの件について質問したんですが、それを聴いていると、国際的に大問題になっているような話です。そんな大問題、どうして気づかなかったんだろう、と思いながら、帰宅後に検索してみました。

社名のニュース検索では見つからず、「エイチ・アイ・エス 発電所」でやっと出てきた記事によりますと、この発電所の発電燃料はパーム油で、それが環境に悪いと非難されているというのです。バイオマスというと、生物由来の廃棄物というイメージでしたが、パーム油も含まれるんですね。廃棄物ではなくても生物由来だから再生エネルギーには違いないのですが、燃料として使うようになると、パーム油生産のために森林破壊が進み、結局環境に悪いのだ、というわけです。「環境」の世界では、どうやら市民権を失いつつある発電燃料のようなのです。

エイチ・アイ・エス、というか澤田社長は、「エネルギー」の事業としてのポテンシャルを感じ、「再生可能エネルギー」の利用を進めなくてはいけないという社会的ニーズもよくわかって参入しているのでしょうけれど、必ずしも「環境」事情に通じてはいないように見えます。せっかく発電事業に関わろうというのに、それがパーム油というのは、私の素人感覚でもちょっと違うような感じがします。今のところ事業をやめる予定にはなっていないようですが、考え直す必要があるんじゃないでしょうかね。

余談ですが、この件に質問した2人目の株主は、多分環境問題に関心の高い人なのでしょう。普段から関連のサイトを見ていて、エイチ・アイ・エスの発電所の問題は国際的な大問題である、と感じたのだと思います。しかし一般の人々はこの問題をほとんど知らないんじゃないでしょうか。よく言われることですが、インターネット、特にSNSの普及によって社会が分断されるというようすが垣間見えた出来事でした。

現状手がけているエネルギー事業は、いわゆる電力の卸市場から市場価格で、一部は大手電力会社から相対取引で買ってきた電力を小売りしているだけのことで、そんなにエキサイティングなビジネスという感じもしませんけど、やはり再生可能エネルギーを最終的には取り扱いたいと思っているはず。注力するつもりならば、しっかり環境保護の事情に通じてほしいものですね。

今回の総会での決議事項の一つは、グループを持ち株会社の下にぶら下げる形にまとめる組織の変更でした。そしてそれに伴う定款の変更。ついでに色々と新規事業が付け加わっています。で、列挙された事業を順に見ていくと、一番最後にこんな文言が。
「上記、各号に掲げる以外の事業」

ん? これは何を意味するんでしょうか。字面通り解釈すると、「色々列挙してきたけど、最後に、ここに書いてないこと何でもかんでも」を定款の最後に書き加えていることになります。

で、何を意味するんですか、と聞いてみた。それに対する答えは、事業環境の変化が早いから、新しい事業を始めるときに定款を変更している暇がない、というわけです。事業を始めた後で、事後承諾的に定款を変えるということなんでしょうが、定款の文言によれば、定款変更しないままにしてもかまわない、ということになります。

ともかく事情は分かりました、ということなんですが、これも帰宅してからググってみたら、やはりISSが反対を表明してました。ISSというのは議決権行使の助言をする会社。ここが反対しているということは、助言を求める顧客に対し、エイチ・アイ・エスの定款変更の議案には反対すべきである、と助言しているわけです。こんな定款の条文を見ても、エイチ・アイ・エスという会社は、ワンマン経営の様相をあれこれ呈していますね。

昨今はガバナンス経営が大事だ、というのが時代の流れでして、それは正論なのですけれど、一個人投資家の思いとしては、株式市場にお行儀のよい役所みたいな会社ばかり並んでいるようになっちゃ味気ない、というのが正直なところです。うちはワンマン経営です、という会社が上場していてもいいんじゃないの、と。一番効率よく成長する会社は、優秀な経営者がワンマン経営している会社である、というのは事実です。その代わり、経営者が暴走したり判断ミスをしたりすれば、業績に大きく響くことにもなる。それのリスクを分かったうえで投資をするというのは当然あっても良いと思うのです。エイチ・アイ・エスとはそういう投資先の一つだということですね。

昨今の伝染病騒ぎについての質問も当然ありました。今回のことも悪い循環にあるには違いないが、その間仕入れ値も安くなりますからね、というのが回答。韓国向けのビジネスも、今は最悪期を脱して回復基調だそうです。当面はハワイやグアム向けを頑張る、という話でした。

今回のことは旅行業に限らず、経済にかなり悪影響があるかももしれませんね。悪条件というものは常に起こりますし、仕方のないこと。心配なのは、売上の上昇傾向は続いているのに、利益がここ4~5年くらい頭打ちに見えることです。観光業の伸びしろはまだ大きいと思うんですが…。

2020-01-31 (2).png

→ 2019年
→ 2017年



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

今年もよろしくお願いします [市場と経済]

2020年が稼働を始めました。残念ながら、明るい希望に満ちた新年、というイメージではないようですね。スパイ映画まがいの逃亡劇で幕を開け、中東情勢を巡る不安感も漂っています。ただ、この手の暗さは最近始まったことでもなく、アメリカに現大統領が登場して以降、はっきりと感じられるようになりました。大統領が事態を引き起こしたというより、時代が生んだ大統領ということなのでしょう。

ベルリンの壁が崩壊して以降の20年間は、概ね明るい時代だったと言っていいと思います。世界は一つの方向に向かっていく、という一体感に包まれていました。もちろん、壁の向こうから来た人々にはどう見えたのかわかりませんが、私たちは、彼らも私たちと同じマーケットに参加して、同じ価値観を分かち合えるようになると感じていました。そして世界的にマーケットは拡大し、実際に世界は豊かになりました。

それが今、世界は逆にばらばらになろうとしています。リーマンショック以降だんだんと富の偏在が目立つようになり、経済が拡大しているのに豊かにならない、と多くの人が感じるようになりました。明るい希望だったグローバル化が、敵視さえされるようになってきました。世界を豊かにしてきたマーケットの、負の面が誰の目にも明らかになってきたのです。

資本主義、または市場主義の経済は、自由に任せると貧富の差が必然的に拡大するもののようです。一旦差がつくと、大きいものにとって競争条件はより有利になります。規模の経済が利くでしょうし、財力があれば、より大きなリスクをとることができます。リスクをとることができれば、成長するチャンスも得やすくなります。ですから勝者が勝ち続け易いし、大きなプレイヤーのいる市場には新規参入が難しい、ということにもなるでしょう。

近年は、経済のグローバル化で市場が大きくなっている分、貧富の差もスケールが拡大しているということなのでしょう。それに加えて新しい産業では、勝者が勝ち続ける傾向が一層強くなっています。そしてマーケットシェアの寡占が、そのまま富の分配にも反映しているかのようです。もちろん、世界がばらばらに動けば富が平等に行きわたるというわけではありませんが、これまでのように、市場のメカニズムを信じることができなくなっているのは確かです。

企業経営の場でESGが強調されるのも、市場メカニズムの修正の一環と考えることができます。環境や社会的価値を守ることによって企業の価値が高まるので株主にも恩恵がある、と従来の市場のメカニズムの枠内で説明されるのが普通かもしれませんが、私は少しそれには無理があるような気がしています。経済的効率をひたすら追求する「市場」に任せすぎると弊害が無視できないので、それをコントロールしようするのが、ESGやSDGsの推進といった動きだと、私は捉えています。

一体化しつつあった市場を分断し、効率を犠牲にして社会的価値を守る、という流れに世界経済は入っている、これが現状に対する私の理解です。去年からの弱気の虫は、元を正せばこういうことです。弱気な話を長々としても面白くないのでこのくらいにしますが、当分の間はこんな感じが続くと思われるので、年初にあたり整理してみました。あまり明るい気分ではありませんが、どんなときにも資産運用は続いていきます。投資する対象はたくさんありますからね。今年もよろしくお願いします。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

NISA、役に立ってます? [投資スタイル]

何らかの金融商品に投資している人のなかにはNISA(少額投資非課税制度)を利用している人も多いと思います。私も利用しています。非課税にしてくれるというものは利用しない手はない、と考えるのが普通です。

この制度が始まってもうすぐ7年目ですが、5年で一区切りという制度なので、今年末は2回目の「ロールオーバー」を経験しています。NISAというのは投資によって得られた利益が非課税になる、という制度ですから、利益が出なければ無用の長物なのです。ただ無用であるだけならばよいのですが、この「ロールオーバー」をやらないと損になる、というのが厄介です。個人に投資を促す目的で制度の利用を奨励するのであれば、ぼうっとしていると損をするというのは制度の欠陥ではないかと思うのですが、制度を利用して損をするのじゃたまりませんから、私も届けを出しました。

NISAだからと言って、とりたてていつもと違う銘柄選択をしたわけではありません。配当が高いものを買ってみたり、成長が持続しそうなものを買ってみたりしましたが、分かったことは、NISAは長期投資向きではないということでした。よく新聞記事などを見ていると、NISAが短期売買に「利用されてしまっている」と非難めいて書かれていますが、長期投資には向かないのだから、仕方がないのではないでしょうか。

長期投資のつもりですから、株式であれば長期的に価値が増えると思う企業を選びます。企業の価値に見合った株価がどこかの時点で実現するので、途中で株価が上がったり下がったりしても気にせず保有していよう、というのが基本のスタンスです。何年後にいくらになっているかはよくわからないし、それを特に分析しようとも思わないのです。ただ最終的には右肩上がりであろうと予想し、できれば割安な株価で買おう、というだけのやり方です。

このやり方で5年後の年末の時点で必ず利益がプラスであるように、というのは、結構難しいことです。プロの機関投資家ですと決まった期間ごとに報告義務があるので、常に運用の「期間」に縛られているわけですが、個人はこの期間の縛りがない、ということが非常に有利な点なのです。ところがNISAで運用すると、5年で成果を上げろ、ということになります。いつもの「買ったら忘れている」という楽ちんな方法をとっていると、うっかり損してしまいかねません。

もちろん5年経つ以前に売却することは可能です。5年目に株価が下がって面倒な手続きが発生したり、それを忘れて損してしまったりを心配するくらいなら、少しでも利益が出ているところで売ってしまおう、という発想にもなるでしょう。ただ、そんなつもりで保有していると、大きな利益は期待できそうにありません。実際私の保有している株式でも大きく利益が出ているのは「買ってから忘れている」銘柄で、5年よりも長く持っている株がほとんどのように思います。

さて、5年目の年末まで持ち続けた結果マイナスに沈んでいる私のケースですが、別にこの投資対象を見限るつもりはないので、次の年のNISA口座に「ロールオーバー」したわけです。でももしこの時、この銘柄選びは失敗だった、もう持っていたくないから売ってしまおう、と思ったとするとどうなるでしょうか。

これがNISAでなければ、他に利益の出る銘柄を売却するときに損失と相殺することができ、これはこれで支払う税金を減らすことができます。しかしNISAであれば、その使い方はできません。売却損は単なる売却損です。それは悔しいから、売るべきものも売らずにロールオーバーして売り時を待つ、または損を承知で課税口座に移管し、将来の売却益との相殺に備える、といった選択肢があるでしょう。

と、ここまで書いてきて、NISAって本当に得なのか?という気分になってくるのは私だけでしょうか。ただ買って忘れているはずだったものが、こんなに色々と運用判断を迫られるのだったら、もうやめちゃおうかな、という気にもなります。この5年縛りのまま続くとすると、最大どのくらいメリットがあるんでしょうか。

もちろん大当たりして、5年以内に2倍にも3倍にもなることはあるでしょうが、常識的な範囲でうまくいって3割ぐらい(年平均なら5%超)とすると120万円×30%=36万円 そこにかかる税金は36万円×20.315%≒7.3万円 のお得、ということになります。これを大きいと思うか思わないかは人それぞれですが、その程度のメリットのある制度、と思っておくのは悪いことではないでしょう。

現在買い付けは2023年までとなっている期限を、そのうち恒久化してくれるんじゃないかなあと期待しているんですが、そういう話はないのでしょうか。過去にも税制に惑わされて判断を誤った経験のある身としては、NISAの利用も考え直そうか、とちょっと思っている年末です。皆さま、良いお年をお迎えください。

P.S. ロールオーバーについて解説してあるサイト、分かりやすく説明されているものは案外少ないですね。こちらは割と分かりやすくできていると思います。(一覧表の中の売却期限が、更新をわすれたのか、間違っているとは思いますが。)


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

長期投資のための銘柄選択・・・? [投資スタイル]

パソコンを新しくしたらなかなか調子が出ず、最近ようやく使用環境が安定してきました。予想もしないことでつまずいて、頭にきて赤くなったり、データが壊れた、と青くなったり。データのバックアップはもう一つ作ろうと思ったのでした。何事もリスク管理!

さて、1か月半ぶりのブログ更新です。

10年単位の長期で投資対象を選ぼうとするときに、何を見て選ぶのがいいんですか? という質問が時々あります。多分長期投資をしようとする人にとって、当然の疑問でしょう。誰だって知りたいですよね?

でも残念ながら、これを見ていれば大丈夫、といった指標などがあるわけではありません。そりゃそうです。そんなに簡単なはずはないのです。簡単ではないけれど、それでもやはり、投資するかしないか、判断材料は必要です。

まず一つには、その属する産業なり商品なりの将来性です。「テーマ株投資」というんでしょうか、何らかの「テーマ」に沿って関連する企業に投資する、というやり方がありますけれど、長期にわたって有効なテーマであれば、それがそのまま長期投資ということになります。

昨今常識的に語られている長期的なテーマですと、高齢化に伴う医療ですとか、世界的な所得水準の上昇で需要の増す食品や消費財、テクノロジーの関係ではロボットや人工知能、再生エネルギーなどなど、数十年先まで成長しそうな産業がいくつか思い浮かぶでしょう。それらに関連する企業、要するにその商品やサービスを供給する企業に投資するというわけです。

ところがこれ、言うは易しですが、投資成果を上げるのはなかなか難しいものです。成長すると思った産業が実は違った、というケースももちろんありますが、たとえ産業レベルで予想通りになっても、実際活躍する企業まではたどり着かなかったりもします。産業が成長しても、過去にはなかった技術が出てきて市場が別の企業のものになってしまう、とか、活躍すると思っていた企業が大企業病にやられて競争に負けてしまう、などなど、数十年の間にはいろいろなことが起きるものです。

過去を振り返ると、いくつも思い当たります。私の駆け出しのころ、日本は例の不動産バブル真っただ中。いたるところ再開発が進んで東京が大発展する、と思われた時代です。30年経って、実際に湾岸には新しい街ができていますし、東京の街では切れ目なく再開発が行われていますが、そのテーマで投資していたらどうなったでしょうか。・・・バブルの中では、実態より株価がずっと先に行ってしまっていたんですね。

昨今はプラスチックごみが大問題になっていますが、「生分解プラスチック」というのも、30年ぐらい前には人気テーマのひとつだったように記憶しています。当時多くの人が期待したように、あるいはそれ以上に需要は実現しているのではないかと思いますが、技術のほうはどうなったのでしょう。フォローしていないので詳しくは分かりませんが、実用化に漕ぎつけられなかったのでしょうね。

パソコンが普及し始めたころ、その市場の拡大を信じた人は多かったでしょうけれど、マイクロソフトと競合していた企業はほとんどが、競争に負けてしまったわけです。新しい産業は成長性は高いけれど、新しいだけに参入障壁がないので競争は熾烈になりがちです。その中でどこが勝つのか予想することは、不可能に近いかもしれません。

投資家として、それでも産業の将来性を考えることはやめませんが、それが単純に銘柄選択に直結するわけではない、ということです。遠くを見据えながらも、実際に銘柄を選ぶには、企業の稼ぐ力を吟味することになります。そのために必要になるのが、利益率だったり資本効率だったりといった財務分析なのです。

遠い将来のことは分かりません。だからこそ、実力のある企業に投資することが重要です。予想が当たって市場が拡大すれば、当然その中で優秀な企業は成長するでしょう。予想もしない展開になればそれなりに、強い企業は逆境に耐えてくれることを期待できますし、環境の変化に対応して成長の道を辿ってくれるかもしれません。

実力のある企業であっても、それが永続するとは限りません。長い間に実力が衰えてしまう企業もあるでしょう。絶対確実な投資というものはないのです。あとは確率の問題です。良い投資対象を見出す確率を少しでも上げるために、私たち投資家は、地道に財務分析やそれ以外の分析を行うわけです。長期だから特別、という方法はないのです。



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

投資対象を「調べる」ということ [投資スタイル]

先日ウェブセミナーで、株式の個別銘柄を題材に話をしました。何か特定の銘柄を推奨するわけではありません。参加者の選んだ銘柄について調べたり分析したりして、投資対象として魅力的かどうか考える、というような趣向です。

「調べる」というのは何を見ればいいのか、ウェブサイトであればどんなページが参考になるのか、四季報であればどの数字を見るのか。今の時代、必要な情報は何でもネット上で手に入るとはいうものの、その量は膨大で、全てを読むわけにはいきません。必要なものが何か分かっていなければ、探すこともできません。

いわゆる会社四季報というものは、どの企業も統一して同じ指標を載せています。とても使いやすく整理された優れた情報源だと思います。ただ、投資対象としての企業を調べるために重要な情報は、全ての企業で同じというわけではありません。事業によっても必要な情報は違いますし、自分がどの程度、その業界や企業について理解しているかによっても違います。私も、全く知らない企業であれば、会社の沿革・歴史から調べますし、ビジネスモデルが理解できていなければ、各種の報告書をじっくり読んでみるでしょう。

企業によって、時系列で見ることが重要な場合もあれば、それよりも他社との比較が重要な場合もあります。属する産業・市場の将来性が株式価値の源泉であれば、企業よりも事業や業界について調べるでしょうし、逆に事業がなんであるかよりも、企業の経営体質そのものが魅力的だという場合もあるでしょう。

上場企業のホームページには、必ず投資家向けのページが用意されていて、投資に必要と思われる情報がまとまっています。公式に発表されている文書は「IRライブラリー」といったようなタイトルで探すことができ、中でも「アニュアルレポート」とか「統合報告書」などの文書が、最も総合的に企業の自己紹介をしています。そういったものを読んだうえで、様々な情報源を参考に、自分なりに企業のイメージを形作っていく。「調べる」というのは結局そういうことなのだと思います。

株式のセミナーと言えば、誰かが調査分析した結果をもとに買うべき銘柄を推奨する、というのがふつうなのでしょうが、結果は自分で考える、そのために何をするかというセミナーも面白いのではないか。そんな発想でやってみました。実際のお話の内容についてはまたいつか別の機会に。


→ 関連サイト
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

予想が難しいのは何と言ったって… [株式の個別銘柄]

私は自分がある程度、投資経験が豊富であると思っているわけです。だからこうしてこんなブログを書いているわけですね。

投資経験が豊富だと、そうでない人と何が違うのでしょうか。
銘柄選択が少しは得意かもしれません。でも、投資経験の長さと銘柄の当たり外れは、必ずしも連動していないように思います。ビギナーズラックのみならず、投資経験以外から出てくる優れた投資アイデアは、たくさんあると思うのです。

じゃ、投資経験は何の役に立っているのかといえば、予想が如何に当たらないものか、未来が如何に予測できないものか、ということが、身に沁みてわかっているということじゃないでしょうか。様々に予想を立てながらも、それがもしかしたら全然当たらないかもしれないと思って投資判断をしているのです。

そんな中でも、いつも予想が難しいことを実感するのは薬品株です。
薬品株というのはある意味シンプルで、新薬の開発が成功するかどうかにすべてかかっていると言っても過言ではありません。だから、成功しそうな新薬があるかどうかを調べることになります。開発中の薬にどんなものがあるか、開発はどのステージにあるのか、成功したら売上規模はどのくらいか、等々といったことです。

しかし、ここまでの調査分析はできても、開発の途中で、その薬が成功するかどうか予想することは難しいのではないでしょうか。開発の結果が出る前に分かることは、もし成功すればどのくらいの収益になるかということだけであって、どのくらいの確率で成功するかまでは、やっぱり分からない、そういう前提で投資する業種だと思います。

財務が健全で資金が豊富ならば、研究開発に注ぎ込める額が大きいということは分かりますが、それが積極的に投資する理由にはなりません。そして厄介なのは、薬の特許が切れること。現在財務的に潤沢ということは、まだ特許の切れていない商品が稼いでくれているということで、特許が切れてしまえばガラッと状況が変わるわけです。財務分析はもちろん重要ですが、新薬が開発できなければ何も起こらないということなのです。

尤も薬品といっても日用品に限りなく近い類の薬もありますから、すべての薬品メーカーが新薬依存ということでもないとは思います。商品構成によって、リスク・リターンの性格が大きく異なるのです。


ところで、私は第一三共という銘柄を持っていますが、これが2年ほど前から活発に動き始め、特に今年に入ってからは、急騰と言っていい上がり方をしています。どうやら研究開発の成果が出て、がん治療薬がものになりそうだという話。イギリスの大手、アストラゼネカとの提携のニュースで株価は大幅高しましたが、後になって見返してみると、2017年ころから予兆があったのかもしれません。

実はこの銘柄はかなり昔、所謂「累投」で買い貯めていた銘柄で、まだ「三共製薬」だった当時、若かった私の目には、全く非の打ちどころのない銘柄に見えました。「メバロチン」という大きな稼ぎ頭があって、とにかく儲かっている会社でした。後々鳴かず飛ばずになってしまうなんて、想像もできなかったのです。

しかしそれに続く期待の新薬候補が開発中止になるなどして、結局投資し始めてからの株価はたいして上昇することもなく、全くパッとしない銘柄になってしまいました。その後何度か株主総会にも出席し、インドへの投資がトラブった時には、もういつ売ってもいいと思いながらも、売らずに持ち続けていました。

積極的に保有していたというより、放置していたに近いというのが正直なところですが、結果論としてはそれでよかったということになります。仕事で運用しているのであれば、常に保有している理由を説明できなくてはなりませんから、適当なところで見切っていたのでしょうが、個人の資産は説明する必要がないので、売る理由がなければ売らないという判断でも全く構いません。いつ上がるか分からないけれど、そんなに下がりはしないだろうと思って保有している銘柄はいくつもあります。

会社のホームページには、研究開発の内容や新薬の薬効について、いくつもの説明資料が公開されています。眺めていると面白そうではありますが、私は薬学の素養もありませんし、こうした説明によって売買の判断はできないでしょう。それでも売らない選択をした理由が何かあっただろうかと思い返してみると、社長が中山氏に替わった時、その時はインドでの事業で大きな損が出ていましたが、新しい社長のもとで良い方に向かうのではないかと、確たる根拠もなく思ったことを思い出しました。そんな程度です。長く持っているとそれだけでも親近感が湧くものです。

保有していた期間の長さを思うと、ちょっと急騰したからと言って、大したパフォーマンスでもありませんが、新薬が軌道に乗りつつあるというからには、これからは実際に上市されるのを楽しみに待つばかりです。目出度しめでたし。

→ 2014年の株主総会
→ 2011年の株主総会
タグ:第一三共
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:

夏休み気分。投資環境が悪くても・・・ [株式投資]

朝起きたらニューヨークダウが800ドル下げたというので、どれどれと眺めてみましたが、一日の下げ幅としては大きいものの、指数の水準がそんなに下がったという感じもしません。日経平均も、まだ2万円台にあります。それでも何かそろそろ買ってみようか、という気分になっているところです。振り返ってみると、8月はそういうことが多いような気がします。

株価に季節性があるのかどうか、たとえあっても気にする必要もないのですが、秋が安くて春が高い、というぐらいの傾向は、やはり何となくあるようです。新入社員の頃、株価の季節性について初めて聞いた時は、単に「気分」の問題だな、と思ったものですが、アメリカの株式市場については、税金の申告・還付のサイクルで季節性が生じるという、そこそこ合理的な説明ができます。今や金融市場はグローバルですから、その影響を世界中が受けるということは、大いにあるでしょう。

ならば秋になってから買えばいいのに、何故なんでしょう。多分そういう年はいつも、かなり早くから弱気になっているのだと思います。安くなったら何か買おうと思っているのですね。そして8月はなんだかんだと言って、やはり時間的余裕があります。夏休みだったりお盆だったり。マーケットも何となく力なく見えたりするので、秋まで待つ必要もないかな、という気になるのだと思います。そこまで季節性を信用しているわけではありませんから。

そう、弱気の虫は今はまだ健在です。正直なところ、夏までにはもっと下がると思っていました。昨秋には中国からの受注が急激に悪化と伝わっていたし、その後も米中の貿易紛争が現実のものとなって表面化してきています。企業業績も「減益」の報道がどんどん増えています。景気のサイクルは自然現象のようなものですからそれほど気にすることもないのですが、やはり過去2、30年のようなわけにはいかないのだろうな、ということを、このブログにも書きました

世界中が何となく不機嫌な時代になり、融和的だったものが対立し、紛争がやたらと増えてきています。それらが経済的にどのくらいのインパクトを持つものなのか、多分今の金融市場は測り切れていないだろうと思います。構造的な変化を正確に予測することなど無理ですから。ただ、これまでの20年とはかなり違う姿になるだろうという予感はあります。

言うまでもありませんが、長期的な予想は難しいもの。誰もが当然だと思っているようなことが、案外全く外れるものです。そういう意味では、アメリカが何となく心配です。今も世界経済のリーダーたる企業がアメリカに集まっていますが、皆が大丈夫と思っているようなところがむしろ不安です。最近は日本の証券会社も、アメリカ株を盛んに勧めているように見えます。個人がグローバルに投資する時代、と言ってしまえばそれまでなのですが、PERが40倍や50倍の銘柄を営業担当者が推奨してくると、大丈夫かなあ、と不安になってしまうのです。

いつも書いていることですが、シナリオは一つではありません。今の私はつい悪い方を思い描いてしまいますが、たいして悪いことも起こらずに新たな成長トレンドに入ることだってもちろんあり得ます。日本などはあまりどこからも期待されていない経済ですが、案外悪くない、というシナリオだってあり得ます。多くの国が人の流れを制限しようとしているときに、日本だけは、労働力を外から受け入れようとしています。人手不足は深刻化していきますから、この傾向は早晩強まるだろうと思います。それを嫌う日本人が多いことは重々承知ですが、人口が増えることは、経済にとってプラス。きわめてシンプルな答えです。

さて、そんなことを考えながら色々な銘柄を眺めていますが、普段から人気のある銘柄は、やはりそんなに安くはありませんね。十分安くなっているものをせっせと探すとしましょう。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

配当と成長 [投資スタイル]

私は常日頃、「株式の銘柄を選択する際には配当を重視するのがおススメ」と言っているのですが、先日「それでは企業の『成長』をとらえることができないのでは?」という質問をいただきました。

確かに配当利回りの高い銘柄は、利益は出ているけれど成長性はないと思われているから高い配当利回りでとどまっている、と考えられます。それが合理的な株価というものです。ですからご質問は尤もなことです。これに対する答えはいくつか考えられます。

まず一つは、現在の株式市場では「成長性はない」と評価されているけれど、その評価が間違っているかもしれない、ということ。市場がいつも正しいわけではない、と考えるのが、そもそもアクティブ運用の発想です。それが見つかれば「割安だ」ということになるわけです。成長性が十分あれば、配当も増えていくでしょう。そうなれば投資は大成功ですね。

ただ、成長性を予想するのは難しいものです。それでも、売上や利益だけを見て予想するよりは、配当をしっかり出している会社に絞った方が、良い投資になる確率は高いと思います。そのうえで利益率やROEが高いもの、過去からのトレンドが上向いているものなどを探します。

配当利回りに加えて利益率もROEも比較的高く、且つ業績が右肩上がりなんて、そんな都合のいい銘柄なんか見つからないと思われるかもしれませんが、少なくとも日本の株式市場には案外転がっています。理由は一つではないでしょうが、日本株の投資家が、配当を重視しないという過去の高度成長期の伝統を、未だに守っている(?)ということが大きいのではないかと思います。

高度成長期は、それが合理的だったのです。売上がどんどん伸びたので、配当を出すより事業に投資するべきでしたし、株主は配当がもらえなくても、株価の上昇で十分に報われました。今や時代はすっかり変わったというのに、株式投資に対する関心が高まらないために合理的な投資態度が浸透せず、惰性のまま配当軽視が続いているように見えます。

別の答えとしては、「成長性」をもっと広い意味で捉えて、あまり欲張るのはよしましょう、という考え方。欲張らなくても、配当がとりあえず減らなそうな会社であればOK。毎期利益を上げて配当を払い続けている会社であれば、投資は十分成功です。その場合、株主の持ち分である純資産は、成長し続けているはずですから。

最後に、配当利回りの低い会社でも、別に買って構わない、という当たり前の答え。本当に成長する会社は、上述した高度成長期の日本企業のようなもので、配当が低くても買うべきなのです。成長を逃したくなければ、本当に成長すると思う会社があるならば、株価が割安でなくてもいいのです。しかし、これも繰り返しますが、成長性を見極めるのは難しいということをお忘れなく。

nice!(0)  コメント(1) 
共通テーマ:

弁舌滑らかな社長のトーク ~ セコムの株主総会 [株主総会]

セコムの株主総会に出るのは2回目。記録によると前回は2010年です。その時のブログを見ると、最高顧問の飯田さん、さすが創業者は違う、という感想が書かれてますが、今年は残念ながら体調不良で欠席。ご高齢ですからね、仕方ありません。

社長はとてもよくお話になるんです。語り口も柔らかいし滑舌もよろしいんですが、たくさんしゃべる割に、印象に残る話がないんです。漠然とした話と妙に細かい話が一緒くたになって、耳障りは良いのだけれど、メモしようと思うようなポイントがない。何か知られたくないことがあってごまかしているような印象を受けます。そういうつもりはないんでしょうけれど。

質疑の最初、セグメント別の収益動向、特に原価率が上がって収益性の落ちたセグメントについて、という質問が出た時の回答は、色んなセグメントがありますけど、向いてる方向は全社同じだから、全体としての利益率を重視してます、って、やはり耳障りの良い言い方なんですけど、何も答えてない。投資はどこにどれくらどれくらい実施したかとの質問にも、たくさんしゃべって答えているのに、中身としては「人材とシステム」と言ってるだけ。

私は、敢えてセグメントの質問をいたします、とわざわざお断りしてから、BPO・ICT事業について聞きました。このセグメント、売上が32%も伸びていますから、この調子だと、もうすぐセキュリティーサービスに次ぐ規模になってしまいます。どうしてこんなに伸びているのか、知りたいのは当然ですよね。

この事業は、情報セキュリティー事業、データセンター事業、そしてコンタクトセンター事業、ということでどれも買収して加わった事業なのでしょう。各事業ともアウトソーシングの受託という形が多いようです。需要が非常に伸びていて、過年度の伸びも特殊要因があるわけではないとの回答でした。

質疑応答もかなり進んだ頃、株主から良い指摘がなされていました。全部自分でしゃべらないで、適宜回答を振ってほしい、ほかの取締役の話も聴きたいから、と。ただその意見の真意も伝わったのかどうか。社長からその後指名があって2名演台に立ちましたが、どちらも執行役でした。スピーチは良かったのですが、株主総会の審議の対象は取締役候補なんですよね。

取締役に女性がいませんが、という最近は定番の質問。昨年も出たのだそうです。私の9年前のメモにも、女性管理職の数が質問にあった、とありますね。セコムというと、企業イメージは割とソフトな感じですが、考えてみれば、自衛隊出身だったりする屈強な警備員が屋台骨なわけで、社風はマッチョなのかもしれません。女性役員の誕生はまだ先でしょうか…。

因みに総会みやげ、ありました。カタログギフト「セコムの食」とありますから、食品の通販事業もやってたんですね。自社製品のサンプル配布と考えてよいでしょう。おいしそうなもの、色々ありますね。焼き肉用のラム肉頂きます。

どうでもいいことではありますが、会場までの道案内にダメ出ししておきます。徒歩5分の駅から歩きましたが、駅の出口、左に出てからまた左に道を入るのですが、曲がり角に立ってなくちゃ、意味がありませんよね。会場のビルの入り口も、看板が出ているわけでもなく、矢印持って立ってるだけじゃビルを通り過ぎちゃうよ、と案内係の若者に苦言を呈してしまいました。つまんない役目でも、ちゃんと頭使って働いてください。

2010年の株主総会

nice!(1)  コメント(2) 
共通テーマ:

今年も出席、定点観測のバンダイナムコ [株主総会]

昨日の月曜日は定点観測。ほぼ毎年のように出席しているバンダイナムコの総会です。ひどい雨にもかかわらず、今年も盛況。私としては、日ごろ株主総会の話題が出ると、よくここの総会の話をするので、直近の状況もできるだけアップデートしておきたいのです。

Q&Aではいつも通り、オタクな質問が続きます。業績が良かったせいもあるのか、とにかく最初から個別イベントの案件。スーパーアリーナでの謎解きイベントとかアイドルマスターのドームライブとかラブライブサンシャインとか、どんなイベントなのか想像がついて行けません。いつものことですが。(笑)

投資家的視点で意味のありそうな質問としては、IP戦略(IP=知的財産、要はキャラクターのこと)における多様化や新規開発について聞きたい、とか、VR(バーチャル・リアリティ)関連事業の今後の展開は?とか、1時間近くの間にそれほど多くはありません。そんな中で私としては、前期の業績について極めて基本的な説明が欠けていると思い、質問を試みていましたら、「あと2問です」との宣言直後、ご指名いただきました。

最大のセグメントであるネットワーク・エンターテインメント(簡単に言えば家庭用中心のゲームソフトのことです)で増収減益になっている理由。事業報告には、何も書いてないのです。4%増収で5%減益、という数字を見れば、どうしてかな?と思うのが当然でしょう。こういう当たり前の疑問に答えないのってよくないと思うんですよ。よくないことは隠したいのか、という印象を受けます。何年か前もあったんです。記録によると3年前ですね。やはりその時も私は、減益要因を真摯に説明しない態度に不満を表明しています。

今回は明快な回答があってすっきりはしましたが、だったら事業報告に書いてよね、とは思います。減益の理由は、米国での家庭用ゲーム機の売り上げ認識基準が変わった影響。それがなければ利益は横ばいだったとの説明でした。

前後しましたが、「あと2問」の宣言は、ちょうど1時間過ぎたあたりでした。これは改善点。株主の皆さんの質問や意見、バンダイナムコ愛にあふれていて素敵なんですが、細かいオタク的な質問が延々と続くのはちょっと辟易、と思っていたので。今年は「残りの質問は総会後の展示スペースでお答えします」ということで切り上げてくれて、正直ほっとしました。

各取締役候補のひと言スピーチも例年通り。新規の社外候補に日揮の元社長、で、なぜ日揮?という質問とか、社外取締役は皆さん持ち株ゼロで株主視点、っておかしいんじゃないかとか、女性の取締役が少なすぎる、とか、活発な質疑が続きます。

議案の採決後、退任する取締役のスピーチが、ピリッと最後を〆ました。

ガンダム40周年、とのことで、おみやげがガンプラかも、と思ってきた株主もいらしたようですが、おみやげ地味化の時流には逆らえず、クリアファイルとメモパッドという、でも私にとってはガンプラより遥かに役に立つ品でした。

65592655_1559837167484617_627665708888621056_o.jpg

過去の株主総会 2018年  2017年   2016年
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:
前の10件 | -