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6月29日(水) シーズンの締めは信越化学 ~カリスマと共に年老いてる?~ [株主総会]

SMCのところで述べた一群の企業の中では先輩格の、信越化学ですが、SMCと大きく違うのは、集まっている株主の数。なんとか本会場には入れました。ここだけで500人くらい入っているかしら。後の株主発言で、これだけ集まるんだから、あんまり節約しないで広いところでやってください、という意見も出ていました。

業績は、長期にわたり立派なものですが、やはり現預金が過剰、だから資本効率はあまり良くない。そして当然ながら、その点に関わる質問をする株主さんがいらっしゃいます。「株主を大切にする」とおっしゃるなら、株主価値を向上させるために自社株買いをするなどの計画はないのか、と。

回答は、はっきりと「No」。増収増益を図るために資金は使う。配当を払う以外の「株主還元」は自分の辞書にはない、とでも言いたげです。配当性向は30%程度の安定配当で、日本の会社としてはまあ普通。それで普通以上のお金が貯まるんですから、良い会社には違いありません。その良さが株価には十分に反映されない、それが株主還元の不足ということなわけです。

次に、取締役人事について。世間の時流を無視して、社外取締役が5名から4名に減ります。私はかねてから社外取締役の効果については懐疑的なので、この点は批判しませんが、昨今の右に倣えふうのコーポレートガバナンス強化に抵抗を見せたのかも、という印象。ちなみに退任なさった社外取締役は、私の古巣の元社長です。

社外取締役の数についてはいいんですが、事業報告書類の中で、社外取締役の活動状況を記した項目を見てみると、まず外国人の取締役の欄には、グローバル化にあたって助言が非常に役に立ってるとある。これはOK。ところがその他日本人の社外取締役の欄には、すべて「大所高所からの発言を行うとともに、独立した立場からの監督を行いました」となっています。これってなんだか、スポーツニュースで「喝っ」とやってる評論家みたいな、お気楽な感じに聞こえます。意識してかしないでか分かりませんが、こういうところにも、昨今のコーポレートガバナンスを軽くあしらいたい、という気分が感じられます。

新任の取締役が2名いらっしゃるのですが、株主から、承認されたらばその2人から、新任に当たっての抱負なりメッセージを聞きたい、という要望がありました。これはきわめてまっとうなご意見だと思います。私がバンダイナムコのメモで、毎回主張していることでもあります。でもその答えが笑えます。曖昧な言い方ではありますが、要はそんな新米に、取締役の経験もないのにメッセージなど述べられるわけがない、というような回答です。発言した株主も、実績があって能力を評価されて取締役なろうという人が、そんなこともできないわけがないでしょう、と。このやりとりは、流石に会場の失笑を買っていました。私も思わず拍手。

信越化学は有名なカリスマ経営者が牽引してきたわけですが、昔聞いた逸話を思い出しました。経営者に能力があれば、社員はむしろ賢くない方がいい、と言ったとか言わなかったとか。もちろん真偽のほどは知りません。

あともう一つ。この総会で久しぶりに聞きました。「異議なーし」という社員株主(多分)による唱和。まだやってたんですね。

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