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大塚商会 ~息子の職場体験をきっかけに~ [株式の個別銘柄]


7月の初めに、中学生の息子が学校の「職場体験学習」で、3日間大塚商会のお世話になりました。

この職場体験学習、受け入れ先の職場一覧を見ると、ほとんどが近所の商店や公共施設、保育園・幼稚園、老人ホームといったところ。そんな中で、どういう経緯で近所というわけでもない大塚商会の事業所で、文京区の中学生を受け入れようという話になったのか、その経緯からして興味がありますが、ともかく珍しい上場企業のオフィス。中学生男子にとって良かったのかどうかはよくわかりませんが、この会社、長年興味の対象外だったので、これを機会に業績をチェックしてみました。

四季報をパッと見たところ、ひと言で言って経営成績がいいんですね。こんなに伸びてるって知らなかった。パソコンの普及期にその販売で成長した会社、というイメージで止まっていました。実は今も立派に成長しています。利益率もキャッシュフローも資本効率も優秀。財務体質も強くて安心です。

会社のホームページで財務情報を見ると、過去10年間の必要十分な数字がExcelで見られます。ここではリーマンショックでどれだけ落ち込んだか、どのタイミングで回復したかチェック。売り上げは、2007年度のピークから2009年にかけて8.5%落ち込んでいますが、そこから2年で前のピークを回復。その後は順調に売り上げを伸ばし、2015年度は、2007年のピークと比べて3割増です。利益は当然のことながら振れ幅は大きいけれど、傾向としては売上と同様です。消費増税の時は特需もあったようで、2012~14年度の3年間は特に成長率が高くなっています。

リーマンショックの前と後を比べると、自己資本が積み上がって財務体質が強くなった分、ROEは20%台から14~15%へ下がって資本効率は落ちています。ただ、総資産に対する事業利益率(ROA)が載っていまして、これを見ると、それほど落ちてはいないんですね。いくつかの「回転率」の推移を見ても、会社全体として効率を落とさないよう、頑張っているんでしょう。特に目を惹くのは「従業員一人当たり」の売上や利益。ここ数年好調だった間に大きく水準が上がっています。配当もしっかり払っていて、一株当たりの配当額は10年前の4倍。20%台前半だった配当性向は、30%台後半に上がっています。

事業内容は二つの部門に分かれていますが、アニュアルレポートなど眺める限り、とにかく「オフィス、何でも屋さん」と総括していいんじゃないでしょうか。景気がどうでも、事務所というのは家計とある意味同じで、常に発生するニーズはあるものです。多分「システムインテグレーション」部門は相対的に景気に左右されやすいのでしょうけれど、「サービス&サポート」部門はいわゆる御用聞きのようなビジネス。これを「ストックビジネス」と呼んで注力しているそうですから、業績はこの先も安定の方向でしょうね。

個人の生活でも、情報機器をうまく使うのはなかなか大変なことですから、需要は豊富にありそうです。あとは営業力の勝負。こればかりは数字だけ見ていても、確たることは言えません。中学生の息子にそこまで観察しろというのは無理ですし。ただ先日、あるボランティア事業の会合でお会いした方がおっしゃってました。私が息子の職場体験の話をしましたら、大塚商会はすごいね、あそこで2~3年も営業をやったら、一流の営業マンになれるよ、と。ご自分の職場でサービスを利用なさっているようでした。

これを書いている時点の利回りは2%とちょっと。もっと高い銘柄はざらにありますが、今後配当が増えていく確率は結構高そうなので、悪くないと思います。…というわけで、先日少々投資してみました。

ここまで書いてきて、自分の保有している中で似た企業に思い当たりました。「オービック」という会社。四季報を改めてよく見たら、【比較会社】という欄にしっかり載ってますね。過去に株主総会に出ているのでご参考。→ オービックの株主総会 (2015年6月)

タグ:大塚商会
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