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私流 株式投資 [投資スタイル]

個人投資家のための、個別株投資。
多分、巷の資産運用や株式投資指南書とはかなり違うことを書きますが、私としてはごく当たり前のやり方だと思っています。

株式投資といっても色んな目的や方法があるでしょうが、私は着実に資産を貯めていくことを目的に、長期的なスタンスで投資しています。短期売買はやりません。買ったら基本的には売りません。もう少し正確にいうと、売ることは結果的にはあるわけですが、売ることを最初から想定して買う、という投資はしていません。

配当利回りが基本

基本となる投資指標は「配当利回り」です。配当収入が、株式投資の基本と考えているからです。事業に投資しているのですから、事業から上がる収益の分け前を頂くのは当たり前のこと。この基本を守って投資しているのです。ゆったりと、長期にわたって資産を増やそうという運用スタイルとしては、これが最適だと思います。

昨今は低金利ですから、配当利回りはとても高いと言っていいと思います。銀行預金にも国債にも、雀の涙ほどしかつかない利息に比べて、2%や3%、うまくいけば4%以上も頂ける配当は非常にありがたい。もちろん配当は、投資先の事業から利益が出ていなければもらえません。ですから当然、その会社の事業が順調か、経営が良いかどうかといったことも大事な要素です。

株価の動きを気にしない

配当利回りを基準に投資し、買ったら当分の間売らない、という方針を決めると、株式投資はかなり楽になります。株価の動きを気にしなくていいからです。自分が受け取るのは配当ですから、株価が上がろうが下がろうが、配当がしっかり払われてさえいればそれでいいのです。ですから、投資家として考えなければならないのは、配当がちゃんと払われるかどうかだけ、といってもいいのです。

株価が上がって得をする、下がって損をする、と言いますが、それは持っているものを売った場合の話。売らずに持っているならば、それは評価益・評価損でしかありません。売るまで損も利益も出ないのです。株価が上がれば配当利回りが下がり、株価が下がれば配当利回りが上がる、それだけのことです。心配すべきは、株価が下がることではなく、配当が減ることなのです。

企業業績の「蓋然性」を考える

企業の業績を予想するということも、必要ないわけではありません。業績が悪ければ、配当だって減ってしまいます。成長する企業に投資すれば、株価が上がるだけでなく、配当金額も伸びていきます。

今年は業績がよさそうだとか、悪化しそうだとか、そういう短期的な視点は、株式を売買するときにはやはり気にしたほうが良いでしょう。どうせ買うなら安く、売るなら高く、と思うのは当然ですから。でも保有している間は、もっと長期的なことだけを考えていればよいのです。

ここで将来を予想するというのは、来年や再来年の売り上げを計算することではなく、企業が今後どうなる可能性が高いか、その蓋然性に思いをはせるということです。成長性についてならば、たとえば売上げや利益が今後3年で何%伸びるのか、そういう数字を当てることではなく、現在の配当金額が長期にわたって増えていく確率はどのくらいだろう? と考えるのです。

何%ぐらい成長するか、何割の確率でそうなるか。特に数字を求められないのが個人投資家のいいところです。高いか低いかその中間か、それだけ理解できれば私は満足。予想なんて、ごくおおざっぱなもので良いのです。細かくすればするほど当たらないんですから。

予想する方法は、これが絶対、というものなどありません。ただ必ず必要なのは、投資先の企業がどんな企業なのか理解すること。どんなビジネスで利益を得ているのか、どんな経営をしているのか、これらが分からなければ、先のことなど見当がつくはずもありません。あとは個人の知識や経験、日ごろの情報収集を活かすのみ。投資指標はいくつかの基本的なものを押さえておけば十分でしょう。

思いっきり好き嫌いを反映させる

これこそが、個人投資家の良いところです。プロの運用は、主要な銘柄であれば、嫌いだからと言って無視するわけにもいきません。でも個人は思いっきり好き嫌いで投資していいと思います。自分のお金ですよ。嫌いな会社に使われるなんて、まっぴら御免ではありませんか。

たとえば私は、ゲームの会社にはあまり投資しません。自分の子どもには、年がら年中ゲーム機に向かってピコピコやっているような生活を送ってほしくないからです。小売店やレストラン、通信、その他個人向けの色々なサービスは、自分で利用してみて良いと思える会社を買えばよいと思います。もちろん好きだからと言って、業績や経営の良くない会社をなんでもかんでも買うほどお人よしではありませんが。

特定の企業が不祥事を起こしたときなども、個人の価値観を存分に反映させます。許せないと思えば、売ることを選択するでしょう。好き嫌いを反映させるという発想は、今や幅広く注目を集めている「ESG投資」にも通じるものです。多くの人が「好きだ」と思うような会社ならば、かなりの確率で、世の中に貢献している会社でしょう。良い会社であることが株価に反映される。これは株式市場の健全性の条件です。

個人も必要な情報には十分アクセスできる

昔と違って、企業の情報を得るのに、証券会社の社員である必要はもうありません。インターネット上で、投資に必要な情報を得ることは容易な時代です。上場企業ともなれば多くの場合、立派なホームページがあって、必ず「IR情報」という項目があります。その内容の充実度は企業間で大きな差があるでしょうが、投資に値する良い企業は得てして、提供しているIR情報も充実していることが多いようです。投資判断するに十分な情報を開示している企業だけ、投資対象にしていればよいのです。

専門のアナリストは多くの場合、目先の業績予想に時間を割かなければなりません。さらに可哀想なことに、公開されない情報を得ると、インサイダー情報と見做される世の中になってしまいました。個人投資家と同じレベルの情報で、プロとしての付加価値をつけよ、と言われているのです。大変ですね。

個人投資家は自分以外の誰に対しても説明責任を負っているわけではありません。自分が必要と思う情報だけを縦横無尽に活用して、長期的視野に的を絞った銘柄選択をすればよろしいのです。


基本的なスタンスだけ書いたつもりでも、結構長くなってしまいました。

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コメント 2

上村勝利

川元さんが「ありがとう投信」を去られたので、「ありがとう投信」主催のセミナーには魅力を感じなくなり、セミナーに参加しなくなり、その後、全て売却しました。
そんな経緯があったので、本ブローグがスゴク楽しみです。

by 上村勝利 (2017-02-22 07:48) 

かわもとゆきこ

コメントありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
by かわもとゆきこ (2017-02-24 08:55) 

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