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個別株投資の奨め ~投機ではなく [投資スタイル]

一般的に、アクティブ投信はインデックス投信に勝てない、ということになっています。数字を集めて平均を取ると、インデックス投信のほうが成績よいというわけ。その理由は色々と考えられるのですけれど、この事実をもってして、個人のアクティブ投資を否定する理由には全くならないでしょう。

アクティブ投信が不利な理由の一つは、インデックスよりはるかに高い手数料です。私だって、高い手数料を払うのは出来れば避けたい、そんなことは当たり前です。ただ、インデックスに投資するには投信を利用するしかないけれど、アクティブ投資ならば投信を買わずに個別株を買ってもいいわけです。昨今はNISA導入のお陰さまもあって、最低単位百万円以下は当然、50万円ぐらいで買える銘柄もかなりたくさんありますから、個人でもそこそこの銘柄数を持つことは可能なはずです。

インデックス投信は、株なんかたいして興味ない、という人にはとても良い商品だと思います。コストが安いって最強。…では運用手法としては、インデックスってどうなんでしょう。

たいていのインデックスは、時価総額ウェイトでできています。多分一番客観的ですし、基本的に放っておけばいい方法ですから、コストを安く、という目的にもかなっています。ただ、それ以外に特に意味はないとも言える。時価総額ウェイトで買う、ということは、高くなったものは高いまま、安くなったものは安いまま買うってことです。一つの銘柄を時系列で眺めれば、その銘柄が相対的に一番高くなったところで一番たくさん買い、一番安くなったところでは一番少なく買うことになります。

これ、アクティブ・ファンドのマネージャーだったら、とってもへたくそなはずですよね。そんな運用をしているインデックスファンドに勝てないとしたら、何とも情けない話です。現実は色々と、ファンドマネージャーにも同情すべき事情があるわけですが、その話はまた別の機会にするとして、ともかく少しでも資産が増えるように、ということだけをまじめに考えて運用すれば、インデックスより良い運用ができて当たり前じゃないか、と思ったりするわけです。

時価総額ウェイトという手法は、保有比率が客観的に細かい数字まで計算できますから、よく知らない人にはすごくサイエンティフィックで確かな運用手法に見えるのかもしれません。ポートフォリオを地域分散する時も、「日本株は3割くらいで」というよりも、「時価総額ウェイトで8.5%です」とかいう方が、なんだかカッコいいですよね?

パブリックな存在である投資信託は、客観的であることも重要な意味があるでしょう。でも個々人にとっては、自分で納得のいく自分だけのポートフォリオがあればよいのです。自分がいいと思えば、それが正しいポートフォリオ。誰に言い訳する必要もありません。

もう一つ付け加えると、例えばTOPIXなどは、全ての株式を自動的に含むので、かなり純粋なパッシブかもしれませんが、多くのインデックスは、時々銘柄の入れ替えを行っています。そういう意味では、一定の基準に基づいたアクティブ投資の側面もあるわけです。銘柄選定にあたっても客観性が重視されますから、だれが見てもOK、という選択になる傾向があるはずです。これもアクティブ運用としては、決して上手いとは言えませんね。

アメリカのSP指数で、過去の銘柄入れ替えを遡って、もし入れ替えていなかったらパフォーマンスはどうだったか、という試算を見たことがあります。入れ替えたことでパフォーマンスが悪くなっている、という結果でした。新しい企業など、世間に認められてある程度大きくなったものが選ばれ、将来性が無さそうだ、ということで安くなったものを外すわけですから、まさにアクティブ運用をしているわけですね。

インデックスというのは、市場全体を客観的に代表することが目的で、良いパフォーマンスを上げることが目的ではありませんから、こうしたインデックスの運用を批判するつもりは全くないのです。申し上げたいのは、インデックス投資が、運用手法として別に優れているわけじゃあない、ということなのです。

もちろん、アクティブ運用で優れた投資信託を探すという方法もありますが、今や一般の個人でも、プロのアナリストに負けないくらい、情報を手にすることができる時代です。興味と関心のある個人投資家は、リスクについてよく理解したうえで、個別株の投資にもぜひ挑戦してほしいですねえ。厚みのある投資家層の存在こそ、よりよく機能する健全な株式市場を支えるのだ、と信じています。


念のため、アクティブ運用とは→ http://www.toushin.com/faq/invest-faq/active/
解説を載せているサイトはいくつもありますが、これが分かりやすいかな。
「要は、人間の判断による運用、ということです。」



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