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今年の株主総会はバーチャルで [株主総会]

2か月以上に及んだ自粛期間中、オンラインで仕事をすることが当たり前のようになっている人も多いのではないでしょうか。仕事だけではなく飲み会さえもオンライン化していますね。

私も、飲み会こそ試してはいませんが、自宅でZoomはかなりの稼働率です。会議もセミナーも、快適にこなせています。YouTubeでは、これまでなかった数のライブ配信が流れています。あちこちの記者会見やニュース映像、ミュージシャンは自宅ライブ、スポーツ選手ではトレーニングプログラムなどを見せている人もいます。オンラインの世界が一気に広がっているのをひしひしと感じます。

さて今週あたりは、2月決算の株主総会が多く開催されていたはずです。今年は緊急事態のため、来月の分も含め延期が認められているとのことですが、ほとんどの企業は予定通りに行うのではないでしょうか。ただし、予定通りに行われると言っても招集案内には、書き方は色々ですが要は、「できれば来ないでほしい」というようなことが書いてあります。私も今月は一社も参加しませんでした。6月は株主総会のシーズンですが、どうしようかと思案中です。

6月分の招集通知が届くのはこれからですが、今年はライブ配信が増えるのではないかと、少し期待しています。これまでに総会のライブ配信をしていた企業で主に思い当たるのはソフトバンク日産ぐらいですが、今年はどうだろうと検索してみると、検索画面には大量の広告。「株主総会のネット配信をサポートします」というサイトがずらっと並びます。これから一気に普及に勢いが付きそうです。

6月予定の株主総会のうち、先頭切って届いたのはエーザイの招集通知です。かなり以前からIRに熱心な会社だったという印象がありますが、ライブ配信は今回が初めてでしょう。早速申し込んでおきました。

ライブ配信による株主総会の視聴は、「ハイブリッド参加型バーチャル株主総会」という類型の株主総会です。「ハイブリッド」というのは、会場に物理的に集まって行う従来の「リアル株主総会」に加えて、「オンラインによる参加も有り」ということを意味します。

「参加型」というのは、オンライン参加の株主が法的な「出席」ではなく、「傍聴」に近い「参加」であることを意味します。その場で議決権を行使することはできませんので、議決権を行使する場合は、従来のやり方で「事前行使」することになります。また、会場の株主に認められる「質問」をすることはできませんし、「動議」を出すこともできません。但し今後は、チャットのような方法で、オンラインでコメントを送ることは認められるようになるかもしれません。

オンラインを利用した株主総会の形としては、このほかにも「ハイブリッド出席型バーチャル株主総会」、「バーチャル・オンリー型株主総会」があります。

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「バーチャル・オンリー型」というのは読んで字の如くですが、物理的に集まることなく、オンラインのみで株主総会を行う、というスタイルです。将来的にはそういう形も認められるようになることは大いに考えられますが、現行の会社法のもとでは無理があるとのことですから、実現するとしてもまだ少し先のことになるでしょう。

これに対し「ハイブリッド出席型バーチャル株主総会」は、実務的に可能かどうかという問題はありますが、法的には開催することが、どうやらできるようです。ただ、この「実務的に」というあたりは、そう簡単にクリアできるとも思えません。

さらに、この「ハイブリッド出席型」を巡る問題点について考えを巡らせていると、そもそも現行の株主総会というものが、ほとんどの上場企業において、形式的なもので実質的な議決の場ではない、つまり単なる儀式である、という現実に目を向けざるを得なくなるように思います。

株主総会のオンライン化で見えてきた色々なことについては、今回は長くなりますので続編で。いずれにせよ、今年の株主総会は、出来る限りライブ配信を利用してみようと思っています。何社ぐらい参加できるのか、招集通知を楽しみに待ちましょう。


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