SSブログ

やっぱりアセットアロケーション? [投資スタイル]

自分の個人資産の長期にわたる運用成果を振り返ると、もちろんうまく行ったことも失敗したことも色々とありますが、一番プラスに貢献したのは、アセットアロケーションが概ねうまく行ったことだろうと思います。

お給料をもらい始めたのが1985年、バブルが始まる直前です。ほどなくして日本の株式市場は急上昇を始めるわけですが、私はほとんど日本株に投資することなく、バブル期をやり過ごしました。初めてのボーナスで買った1銘柄は、記念に今もとってありますが、それ以外は会社の持株会さえ入っていませんでした。(人事部の手違いで入りそこなっただけなのですが。) 一応証券会社の社員でしたから、全く何にも投資しなかったわけではないのですが、日本株を買おうという気持ちにはほとんどならなかったのです。

そのころは証券会社の社員と言っても、株式投資については新米ですから、よく分かっていなかったというのも事実です。ただ私は幸いにもと言うべきか、アメリカ株が日本株に比べてずっと安い、ということを知っていました。入社一年目の配属先は、日本株式の調査をする部署でしたが、隣に外国株を調査している課があり、その辺に散らばっているページには、アメリカ株式市場の業種別PERなんていうものが載っていたりしました。ですから日本株が30倍で安い!なんて言っている時に、アメリカの株は12倍だったり15倍だったりするのだ、と知っていたのです。

投資らしい投資は外国株から始まりました。90年代に入り、外国株の部署で働いていたせいもあって、活況だったアジア株と、そうでもなかったアメリカ株を買うようになりました。アジア株は97年のアジア金融危機で、すっかりしぼんでしまいましたが、アメリカ株はどんどん存在感を増していきました。(この時のアジア株を見ても、活況の時投資するとロクなことがありません。)

少しずつ日本株を買い始めたのは、1997年です。この年急激な円高の波が来て、輸出産業中心だった日本の優良銘柄は、これに反応して下落しました。そこでそれらの優良銘柄を買い付けたのです。日本株が安いと思ったのは、多分この時が初めてです。買い付けた銘柄の選択には成功も失敗もありますが、買ったタイミングはほぼ正解でした。

その後も日本株は増やしていきましたが、保有株の中心はアメリカ株のまま、リーマンショックもやり過ごします。アメリカ株を大きく減らしたきっかけは税制でした。売却益に対する課税額を低く抑えられる期限が切れることになり、一旦売ろうということになったのです。日本ではアベノミクス到来前で、株式市場は世界のどこよりも出遅れ、株価はひどく安くなっていました。そのころから、日本株が保有株の中心になって行きました。

振り返って言えば、アメリカ株を減らしたのは、あまり良い判断ではありませんでした。税制だけが理由ならば、すぐ買い戻せばよかったものを、十分アメリカ株を増やせないまま時が流れてしまいました。ただ、アベノミクス以降は日本株のパフォーマンスも、案外悪くはありません。アメリカ市場のように個別に目立つ銘柄があるわけでもないのに、日本株がインデックスではそれなりの成果を上げているというのは、貧富の差が拡大するアメリカ経済と、リーダー不在のまま何とかやっている日本経済を象徴するようでもありますね。

過去のパフォーマンスについては、日本株がひどく悪かった時期にアメリカ株に投資していた、ということに尽きます。ですから国別アセットアロケーションが正しかったということになるでしょう。でもその投資判断は、「これからアメリカ株が日本株よりずっと良くなるだろうからアメリカ株のウェイトを上げよう」という風になされたわけではありません。個々の銘柄を見ていて、魅力的だ、と思う銘柄に投資していった結果、そういうアロケーションになったというのが本当のところです。

資産運用のパフォーマンスに一番重要なのはアセットアロケーションだ、というのは本当でしょう。しかしそれを上手く実践するのは簡単ではありません。アセットアロケーションも、結局個別銘柄を見て判断する、というのが私流です。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。