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バリュー銘柄ブリヂストン、株主総会オンライン視聴 [株主総会]

今月は、12月決算の企業の株主総会が行われていて、26日(金)と30日(火)がその集中日となっています。今シーズンはもう最初からリアル総会に出かける気はさらさら無くて、自宅でお茶飲みながらの視聴です。

たくさんある中から選んだのはブリヂストン。昨年ポートフォリオに新たに加えた銘柄です。バリュー銘柄としてのチョイスです。配当はその後減額されましたが、想定内だったと思います。特にこれといった話題はありませんが、出来れば長く持っているつもりなので、視聴することにしました。

始まる前にちらっと会場の様子が映り、その後画面はずっとスピーカーとプレゼン用の資料のみですが、Q&Aでは活発に発言がされていましたから、リアルの出席者もそれなりに集まっていたようです。

事業報告の後、中期経営計画・長期ビジョンについてのプレゼンテーション。「サステイナビリティ」にフォーカスしているあたりは世の潮流どおり、今や当たり前のことなんでしょうが、これからは説得力が問われていくことになるんでしょう。ブリヂストンのケースを超簡単にまとめると:

「創って売る」、要は従来の製造業っていうことですが、資源効率を高めてきた実績がある、といくつかの指標を使って数字で示されています。使用する水や資源や排出するCO2を生産量あたり2005年と比べて30~40%くらい減らしている、ということです。
「使う」事業= ソリューションビジネス、これが新しいコア事業。タイヤを扱うことで得られるデータを活かして収益化する、というイメージ。具体的に何をやっているかよく分かりませんが、長期ビジョンの道程中「今ココ」ということですね。モビリティ産業全体がデータ化されるんでしょうから、タイヤメーカーもついて行かなくては。
「戻す」事業、つまりリサイクル。ここが出来てやっとサステイナブルな企業として完成する、というわけですが、まだ「探索」段階だそうです。今はソリューション事業に集中、でもこの分野も手をつけておかないとね、というニュアンスでした。

ソリューション事業はある程度結果を出してほしいとは思いますが、リサイクルまではまだ期待するのはよしておきましょうバリュー投資というのはそこまで必要としませんから。

私が投資した時点では、従来のタイヤ製造部分しか株価に織り込まれていなかったと思います。自動車産業が大きく構造変化して動力が何になろうとも、タイヤを使わなくなるということはないんじゃないかと思って、とりあえずその部分だけでも収益を上げ続けてくれればいい、という発想で投資しているわけです。ソリューションやリサイクルが収益化すれば、それはもちろんありがたいですけれどね。

Q&Aでは足元の業績についての質問がいくつか。2020年度の「その他費用」が1480億円と巨額ですが、これは何の費用か、と。これはきわめてまともな基本的な質問ですね。2020年度は最終的に200億円近い赤字を計上しているわけです。決算発表時には多分散々説明したのでしょうが、やはり株主総会でも説明することは必須だと思います。

これに対しては、Covid19の影響も含めて業績が悪化したため900億弱の減損損失を計上、さらに構造改革に428億の費用、というさらりとしたお答えでした。もう少し詳細を説明してくれてもいいんじゃないでしょうか。キャッシュの出て行かない費用だとしても、額が額ですから。

最後に発言した株主も業績についての基本的な質問。2021年度は利益が急回復する予想だけれどその根拠は何か、と。これに対してもあっさりとした回答で、各事業部からのボトムアップ、+アメリカの屋根材事業の売却だそうです。

余談ですがこの質問者、多分先の質問者と同じ方だったようで、議長が指名してしまってから「あ~しまった」という表情をして何かつぶやいていました。一人一問、っていうルールだったのに。(笑)

収益性の向上についての戦略を問う質問に対しては、ソリューション事業のウェイトを上げていきたいという回答。ソリューション事業の営業利益率は25%だそうで、全体に占める比率で現在15%のところを2030年には30%にしたいのだそうです。リーマンショック後のブリヂストンの営業利益率はだいたい5~13%ですから、3割が25%となると、これが11~16%ぐらいになる計算ですね。

今回の総会で全く話題になりませんでしたが、人事戦略やガバナンスについても話をしていただきたかったですね。総会の議案に上がっている定款変更の項目の一つが、執行役員制度の廃止のなので、何か説明があって然るべきではないでしょうか。

執行役員制度というのはそれほど古いものではなく、新設する話はあっても、廃止するというケースは聞いた覚えがありません。今では多くの企業が当たり前のように採用していて、その存在意義について疑問を持たなくなっていました。ここらで再検討するのもいいのかもしれません。

ブリヂストンの取締役会は、社外取締役が12人中8人。その一方で経営の執行に携わる取締役は社内の2名のみで、権限がある意味集中しているようにも見えます。昨今の新しい取締役会のスタイルは、私の眼には何かと謎だらけに映るのですが、ブリヂストンが何を考えてどのように役員の仕事を分担しているのか、色々と関心があります。

聞いてみたいことはあれこれとありますが、そうなるとやはり質問できるところに座っていないとだめですね。

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