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REITは個人の資産運用に向いている [投資スタイル]

前回のブログで、両親の口座でREITをたくさん買ったと書きました。不動産投資信託です。私はこれは、老後の資産運用に向いた投資対象だと考えています。

事情は人それぞれでしょうけれど、引退後の生活においては、やはり日々の収入の足しになるものが欲しいというのが普通です。ですから株式投資する時も、とにかく配当がきちんともらえることが大事、と前回も申し上げました。その点REITは、投資家に「分配金」を払うことを目的とした金融商品ですから、老後の資産運用の目的と一致します。老後に限らず、個人の資産運用一般に向いた、便利な金融商品だと思います。

株式であれば、会社が上げた利益をどう使うかは経営判断です。配当を出して投資家に報いるもよし、更なる事業の成長を目指して投資するもよしです。ところがREITは、賃貸収入など事業から上がった利益、ほぼすべてを分配金として投資家に還元します。利益の90%超を分配すれば法人税が免除されるというルールがあるので、そうしないはずがありません。上がった利益が再投資には使われないので、資本の成長には不利ということになりますが、その代わり投資家は、毎期しっかりと収入を得ることができます。

REITの分配金は、株式の配当と比べても概ね安定しています。もちろん株式も業種によって千差万別ですが、賃貸料というものはそもそも激しく上がったり下がったりはしない、ということに加えて、一つのREITは多数の建物を保有していて、分散が効いているからです。もちろん景気や金利による収益の変動はありますが、建物個別のリスクは分散によって十分低減されています。

収入を得るために不動産を保有するのはどうだろうか、と考える人も多いと思います。REITも中身は不動産ですが、不動産そのものを保有する場合と何が違うのか、整理しておきましょう。

メリットはまず簡単であること。上場しているREITの場合、証券口座さえあれば、売買に何の手続きも要りません。マーケットが開いている限り、いつでも売り買いができます。これが不動産であれば、物件と取引相手を見つけて契約して取引税を払って登記をして毎年税務申告をする、ということになります。保有していれば当然物件を管理する必要もあります。

少額で投資できることも、一般の個人の資産運用に向いています。自分の資産の規模に合わせて、好きなだけを不動産に配分できるわけです。そして既述のように分散も効いていて、リスクが抑えられています。一軒しかない保有不動産であれば、テナントが出ていった瞬間に収入はゼロになってしまいますが、多数の物件を保有しているREITには、そういう事態はまず生じません。

REITは証券である分、確固とした不動産よりも値動きが不安定なのではないかと心配する向きもあるかもしれません。確かにREITは毎日市場で値段が動いていますから、その気持ちは分かります。ただそれは別の言い方をすれば、「流動性がある」ということにすぎません。もし毎日不動産の時価が分かるものならば、きっと証券と同じように変動しているのではないでしょうか。流動性が低くて取引がないから分からないだけのことなのです。

それでもREITより不動産投資を選ぶ理由があるとすれば、それは不動産を担保に借金ができることです。少ない元手で大きな投資をすることが可能になります。ただ、これもリスクを抑えて運用したいのであれば、むしろ借りたくもないのに借りる羽目になってしまう、とも言えます。

あとは、不動産が好きだから不動産を買う、ということでしょうか。物件や街を見て歩いたり、今後どの町が発展するのか予想したり、それ自体は実際楽しいですからね。

長くなりましたので、REITの銘柄選びについては、回を改めるとしましょう。

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