SSブログ

株式市場が大変なんですって? [市場と経済]

このところ、会話のついでに「株価が暴落してるんでしょう?」とか「株式市場が大変なんですって?」とかいうフレーズが出てくることがよくあります。そういうふうにおっしゃるのは、たいてい普段株価など見ていないような人たちで、一般の報道を見たり聞いたりして何となく不安になっている、というか、いかにも不安を煽るような報道がされているのでしょう。

確かに1か月や3か月といった期間だけ見れば不安になるのかもしれませんが、少し長めに見れば、それほど危なっかしくは見えません。過去10年ぐらいのチャートを眺めれば、どこが下がっているのか判別できないほどです。

アメリカでの金利の急上昇を警戒して株価が下がった、というのが今回の株価下落の解説です。金利上昇は、株価の下落要因です。短期的には、株式市場のライバルである債券市場の魅力が高まります。より良い金利が稼げるのなら、と株式から債券へ資金が流れます。少し長い目で見ると、金利上昇が景気を冷やすと予想されます。すると当然企業の業績に響くことになるわけです。

そもそも金利が上がるのは、足元の景気が強いからです。景気が強ければ、物価には上昇圧力がかかります。そして金利は物価上昇に伴って上昇することになります。また景気の過熱を抑えるために、金利を引き上げるという金融政策がとられたりもします。今年の初めはずい分と勢いよく株価が上がりました。謂わば、景気は好調なのに金利は低いまま持続するかのような様相だったわけで、それは虫が良すぎたということでしょう。

マーケットの先行きは、金利の上昇で景気が早々に弱まるのか、ということを気にして動くことになるのでしょう。強気な人は、金利上昇にもかかわらず好景気は続くと予想し、弱気な人は、金利上昇が効いて景気は失速する、と予想するでしょう。どちらも起こり得るシナリオですね。それは3か月前のブログに書いていることと同じです。

いや、いつ書いても最後に書くことは同じ、株価は常に上がるかもしれないし下がるかもしれない、ということ。それを予想するのが楽しいという投資家はそうするのも良いともいますが、資産を殖やすという観点からは、株価の上下を予想することにそれほど意味はありません。価値のある株式を買う、ということがすべてと言ってもよいと思います。その価値が成長することを喜び、逆に価値が減ってしまうことを心配するべきでしょう。その価値を測る一番わかりやすく確実な指標は配当であると考えています。ですから、一旦良いと思って株式を買ったら、心配すべきは株価が下がることではなく、配当が減ることなのです。(過去のブログ記事「私流 株式投資」に書いた通りです。)

nice!(2)  コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。