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インデックスファンドってリスクが低いの? [投資スタイル]

前回インデックスについて書いたなかで、こんな図をお見せしました。これを見ると、アクティブ投信のパフォーマンスが左右に大きく広がっているのに対し、インデックス投信は、当たり前ですが、インデックスのパフォーマンスのところに集まっています。

投信の分布.png

インデックスに対して、アクティブの運用成績は大きく上回ったり、逆に大きく下回ったりするわけです。この図を見ると、アクティブ運用の投信に対してインデックス投信は、如何にもリスクが低い、という感じがしますよね。

確かにこれを「リスクが低い」と表現することがあります。でも、インデックスと同じ動きをするからリスクが低い、ってどういうことですか? だってインデックスそのものが、大きく上下することもあるんですよ? たとえば、値動きがものすごく安定した、つまりあまり動かないファンドを保有していると、そのパフォーマンスは、この図に即して言うとどうなるでしょうか。インデックスが大きく上昇した時には左の端に大きく動き、逆にインデックスが暴落したら、右の端に大きく動くはずです。ですから、とてもリスクが高いことになるんです。

運用に関する議論で気をつけたいのは、機関投資家と個人投資家は立場が違うということです。ここでいう「リスク」も、機関投資家にとっては非常に合理的な考え方で、インデックスに近い動きをするものは本当にリスクが低いのです。なぜなら、ファンドの価額が下がっても、マーケットのせいにすれば済むからです。アクティブ運用の力量は、インデックスをどれだけ上回ったか、下回ったかで測られ、インデックスのパフォーマンス自体は、言ってみれば免責ということです。インデックス、つまりマーケット自体の変動のリスクを負っているのは、ファンドの運用者ではなく、そのファンドを保有する最終投資家です。

最終投資家である個人にとってのリスクは、インデックスからどれだけ離れるかではなく、資産価値の変動そのものです。インデックスに比べてパフォーマンスが良い方がいいには決まっていますが、常識的に考えて、運用の目的はインデックスと勝負することではありません。

インデックスに投資することで、簡単に分散を図ることができ、リスクを抑えることができる。それは事実ですが、インデックスと同じ動きであればリスクが低いかどうかは、言ってみれば比較の問題です。それは運用の目的と切り離せないものです。多くの場合個人の運用の目的は、最低限、実質的に資産を減らさないことでしょう。多分、「株式市場が強くて株価指数が大きく上がる時は必ずしもついて行かなくてもいいけれど、大きく下がる時にはできるだけ価値が減らないようにしたい」というのが平均的な姿ではないでしょうか。

そしてその先の目的や運用方針は、保有資産の額や年齢、生活スタイルなどによって様々です。同じように「リスク」というのも、ある意味とても個人的なもの、どんなリスクをどのくらいとるのか、自分で考えることが大切です。自分の生活、自分のお金ですから当たり前ですね。


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