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ダイフクの総会  さくさく進んで35分で終了 [株主総会]

水曜・木曜と所要のため、総会への出席はお休み。
金曜日はオンラインでダイフクの総会を視聴しました。この日は心惹かれる総会がほかにいくつかありましたが、これまで書いたことのない総会をチョイス。

ダイフクもこの10年でものすごく株価の上昇した銘柄です。アベノミクス直前は130円くらいだったものが、今は3千円近辺ですから。私は実は、低迷していた頃のことはあまり覚えていません。気が付いたら誰もが知る成長株になっていたというわけで、投資したのも比較的近年。ピークからかなり下がってはいても、それほど株価が安いわけではありません。

結論から言うと、事業環境はまだ当分良さそう。ここ何年か、物流倉庫への設備投資が話題になっていましたが、半導体にしても、自動車にしても、設備投資はまだまだ必要でしょう。運ばれている最先端の製品たちは、技術の進化で競争条件がガラッと変わったり業界地図が激変したりすることもあるでしょうが、それを搬送している機械はどうでしょう。当然高い技術は必要とされながらも、新たなライバルに急に入れ替わるとは想像しにくいんじゃないでしょうか。

株主からの質問に、自動車がEVになることでどんな影響があるのか、というものがありました。現在自動車向けは好調なのだという回答。今後のEVの生産に対応すべく、設備投資意欲は旺盛なようです。エンジンがバッテリーになると重量が増して、これまで吊り下げていた搬送方式を、ガラッと変えなくてはならないんだそうです。車体がそんなに変わるわけでもないでしょうから、既存の工場の一部をEV対応にすることが多いのでしょう。

人材確保については、今のところ採用ができなくて困るということは無いようですが、女性についてはなかなか大変とのこと。機械系の技術者となると、そもそも数が少ないわけです。現在社員の女性比率は14~15%、外国人比率も同じくらい。今年はインドから女性を2人採用したんだそうです。

総会は非常にてきぱきと、気持ちよく進みました。始まる時に「事前配布の動画をご覧いただいたと思いますが…」と切り出されて、あ、予習が必要だったんだなと。ですから事業報告も要点だけ簡略に済ませ、今後の課題を3つにまとめ、株主質問が始まるまでにかかったのは約15分。業績が好調だからということも間違いなくあるんですが、質問の受け答えも淀みなく、整理されています。

閉会は10時35分。短時間で終了です。その後新任の取締役の紹介。一人ずつマイクの前に呼ばれて、何か話をするのかと思ったけれど、「よろしくお願いします」だけでした。ちょっと拍子抜け。でもこれがふつうですね。

終わってから、事業報告の動画、ちゃんと視聴しました。

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3年連続ソニーの総会、今年は久々のリアル [株主総会]


火曜日、ソニーの株主総会は、コロナ後初めて出席するリアル総会でした。

30分以上余裕をもって会場に着いて中に入ると、一列目のど真ん中に20~30人、間を空けずに座っているのは、社員株主でしょうか。今どき総会対策というものがあるのかどうか分かりませんが、白髪頭が一人もいない集団が一言も発せずにじーっと座っているのは、やはり少々不自然です。

私もせっかくですからできるだけ前のほうに着席しました。最前列、係員の隣の席には白杖を持った出席者が1人。ひな壇の下には要約筆記画面が置かれていて、聴力障碍者であれば、その画面の前の席に座るのでしょう。バリアフリーな株主総会への努力。

かつては一部屋に収まらないほどの出席者が集ったことを思えば、会場は寂しいとも言える出席数です。後のQ&Aで、会場に来てみて参加者が少なくて驚いた、と発言した株主もありました。配信で視聴する株主が増えたからだろうとは、誰でも思いつく要因ですが、それだけではないのかもしれません。技術の最先端にいる、という高揚感はあまり感じられません。今は昔、でしょうか。

業績は、金融部門がノイズを発して凸凹していますが、右肩上がりと言って良いでしょう。為替の影響もプラスですから実態以上によく見えるということはあるにしても、株価は円建てなんだし、素直にポジティブと受け取っておきましょう。株主から、称賛と応援の発言もありました。是非言いたい、と言って発言してくれる株主はありがたいものですね。

金融部門はスピンオフを考えている、という説明がありました。独自の資金調達力をつけてほしいからと。他の部門とは異質ですから、そのこと自体に異論はありません。それにしても、親子上場が悪いと言ったり良いと言ったり、ファッションの流行みたいなものなんでしょうか。

ソニーが目指すのは「クリエーターに選ばれる会社」。イメージ動画には色んな表現が出てきますけれど、これが一番分かりやすい、というか、私にはピンときます。数年前に元気が出て来てからのソニーは、この路線で変わっていません。ただ昨年との違い、気になったのは「ソニーホンダ・モビリティー」の話題が影を潜めたこと。事業報告でほとんど言及が無かったので、誰も質問しなければ私がしようかな、と思ったら、割とすぐに出ました。2025年から先行受注。数を追わず、高付加価値モデルと高付加価値サービスの提供を目指す方針だそうです。

株主の質問では、当然のようにAIに関するものや株主還元について、またアフリカでの事業活動なんてちょっと変わった話題などありまして、最後の質問は、元社員という女性から、社外取締役からコミットメントなど話を聞きたい、という要望でした。それはいいね、と思って聞いていたら、議長が指名したのは、これまで取締役会議長を務め、今回退任する社外役員だったのですね。「コミットメントを聞きたい」と要望されているのに、退任する人を指名してどうすんのよ、と思ったのでした。

こういうところに、今のソニー経営陣の性格が現れているような気もします。この指名は、「自分と気心の知れた人物ならば安心だ、よく知りもしない社外役員など、何を言うか分からないからやめておこう」という心の声が聞こえるようです。リスクを抑えるのはもちろん大切なことです。かつてはクリエイティビティ―に走り過ぎて、お金を稼ぐことを忘れた組織。それを立て直したのは多分こうした、慎重で細かい計算ができて地味な仕事をする人たちだったのだと思います。それが、今ひとつ高揚感に欠けた株主総会となっている要因だとしても、非難すべきことではないのでしょう。


→ 2022年の株主総会
→ 2021年の株主総会
→ 2008年の株主総会
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シーズン1社目は第一三共・・・今年から招集通知の封筒が薄くなりました [株主総会]

今年から、株主総会に必要な資料の交付は電子的に行うだけでいいという規則になったので、送られてくる招集通知の封筒が薄くなっているものも多くなりました。それらの企業は、総会の議題だけに絞って送付している場合がほとんどですが、議題さえも含んでいない書面のケースもあります。もちろん、事業報告まで含んだ従来通りの書類を送って来る企業のほうが多いとは思います。これまでと違うことをやろうとすると、それなりのコストがかかりますからね。新ルールへの対応は、企業それぞれということです。

総会シーズンの1社目は今週月曜日の第一三共。当日は所用で、11時には出掛けなければいけなかったので、そのぎりぎりまで、オンラインで視聴しました。ですから最後までは聴けずに残念でしたが、それでもそんな隙間の時間に株主総会の様子が見られるのですから、オンライン化はやはりありがたいことです。ちなみにここの書面も、議題のみの薄い冊子です。

この銘柄は、過去10年で最もパフォーマンスの良かったものの一つです。ただ本格的に上がり始めたのはこの4年ほどで、それまでには苦節20年といったところ。新薬の開発は本当に大変です。過去の経緯については、2019年にブログ記事があります。

株価が示す通り、がん領域の製品は予想を超える出来のようで、中期計画が年度初めに上方修正されています。順調な時の株主総会は、むしろあまり面白い話が無いもので、第一三共もご多分に漏れず。ジェネリックの子会社を、調剤薬局のクオールに売るという話がありました。先月公表されてますね。事前質問で、譲渡金額の妥当性を問うものがありました。金額はともかく、ジェネリックの売却は合理的と思います。

Q&Aではその他、女性役員の登用であるとか、為替の影響とか、株主還元などがとり上げられました。特筆すべきこと無し。特定の薬についての質問もありましたが、門外漢の私には評価できません。

ちょっと面白かったのは、社長に「座右の銘を教えてください」という質問。奥沢社長はマハトマ・ガンジーを引用していました。インドに赴任していたとのことですから、あのランバクシー社に関わっていたのでしょうか。そういう質問で、考えるでもなくスラスラと答えが出てくるというのは、大企業の社長ともなると、そういう質問はよくあることなんでしょうかね。

「明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ」 マハトマ・ガンジー

 → 2021年の株主総会 



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ようこそ、インフレ経済 [市場と経済]

日本株の上昇が巷の話題になるというのも久々です。流石に足元は熱くなりすぎているように見えますが、徒花という感じでもありません。「外国人が買っているから上がっている」などと解説されますが、外国人が買うのは別に自然現象ではなく、彼らも理由があって買っているわけです。

日本の株式市場がインフレ経済の到来を感じているのだと、私は思っています。相場っぽい表現なら「好感する」と言いますね。燃料や小麦粉や卵だけが上がっているわけではなく、最終製品の小売価格が上がり、働く人の賃金に波及する、という好循環の始まりを予想して、市場が反応しているのでしょう。

インフレは株式市場に有利だと、ここで当たり前のように述べていますが、そこがイマイチ腹落ちしていない、という人のために、復習です。インフレだからと言って株価が上がるとは限らない、という説も聞くでしょうから、それぞれ何を言っているのか整理しましょう。

株価は企業の収益を反映します。企業が利益を上げれば、株式の価値が増します。企業への出資者は、利益の分け前をもらう権利を持っているので、その権利を形にした株式の価値が増すわけです。そしてその企業収益というのは、「名目値」です。

「名目」というのは、「物価の上昇分(または下落分)を含む」という意味です。売っている商品やサービスの価格が上昇すれば、売っている数量が同じでも、売り上げが伸びます。この時仮に、すべての物の価格が同じペースで上がるならば、売り上げの成長率とコストの増加率は同じになります。するとその差である利益も、同じペースで伸びることになります。つまりインフレ経済の下では、たとえ実質的に成長しなくても、売上や利益が伸びるわけです。

現実には、全ての物の価格が同じペースで上昇することはありません。よくあるのは、燃料や原材料の価格だけが上がって、商品の価格全般に波及しないというパターン。すると売り上げが伸びないのにコストだけ増えるという企業が多く出てきます。インフレと聞いて、景気にネガティブなイメージを持つ人は、多分この状況を思い浮かべているのでしょう。また物価全般が上昇しても、変化が急激に起きることで経済が混乱する、というパターンも考えられます。

インフレだからって株価が上がるとは限らないという説は、こうした解説を伴うことになるでしょう。ただ、原燃料だけしか上がらないのであれば、「インフレ経済」とまでは言えません。原燃料の上昇に見合って商品の売値を上げることができ、従業員の賃金を引き上げることもできて、インフレの好循環が実現する。それで初めて「インフレ経済」です。

私が社会に出たころは、経済環境はまだインフレ的でした。企業の業績予想はとりあえずプラス5%から始まる、というイメージでした。日本は決して成長経済ではありませんから、昔のように簡単に成長できるとは言いませんが、過去30年のデフレ期に比べれば、楽になるはずです。

ついでに申し添えますと、インフレは企業の毎年の決算に有利なだけではなく、企業の保有する資産にもプラスに働きます。こうした好環境の到来を株式市場が歓迎しているように、私には感じられるのです。


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