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3年連続ソニーの総会、今年は久々のリアル [株主総会]


火曜日、ソニーの株主総会は、コロナ後初めて出席するリアル総会でした。

30分以上余裕をもって会場に着いて中に入ると、一列目のど真ん中に20~30人、間を空けずに座っているのは、社員株主でしょうか。今どき総会対策というものがあるのかどうか分かりませんが、白髪頭が一人もいない集団が一言も発せずにじーっと座っているのは、やはり少々不自然です。

私もせっかくですからできるだけ前のほうに着席しました。最前列、係員の隣の席には白杖を持った出席者が1人。ひな壇の下には要約筆記画面が置かれていて、聴力障碍者であれば、その画面の前の席に座るのでしょう。バリアフリーな株主総会への努力。

かつては一部屋に収まらないほどの出席者が集ったことを思えば、会場は寂しいとも言える出席数です。後のQ&Aで、会場に来てみて参加者が少なくて驚いた、と発言した株主もありました。配信で視聴する株主が増えたからだろうとは、誰でも思いつく要因ですが、それだけではないのかもしれません。技術の最先端にいる、という高揚感はあまり感じられません。今は昔、でしょうか。

業績は、金融部門がノイズを発して凸凹していますが、右肩上がりと言って良いでしょう。為替の影響もプラスですから実態以上によく見えるということはあるにしても、株価は円建てなんだし、素直にポジティブと受け取っておきましょう。株主から、称賛と応援の発言もありました。是非言いたい、と言って発言してくれる株主はありがたいものですね。

金融部門はスピンオフを考えている、という説明がありました。独自の資金調達力をつけてほしいからと。他の部門とは異質ですから、そのこと自体に異論はありません。それにしても、親子上場が悪いと言ったり良いと言ったり、ファッションの流行みたいなものなんでしょうか。

ソニーが目指すのは「クリエーターに選ばれる会社」。イメージ動画には色んな表現が出てきますけれど、これが一番分かりやすい、というか、私にはピンときます。数年前に元気が出て来てからのソニーは、この路線で変わっていません。ただ昨年との違い、気になったのは「ソニーホンダ・モビリティー」の話題が影を潜めたこと。事業報告でほとんど言及が無かったので、誰も質問しなければ私がしようかな、と思ったら、割とすぐに出ました。2025年から先行受注。数を追わず、高付加価値モデルと高付加価値サービスの提供を目指す方針だそうです。

株主の質問では、当然のようにAIに関するものや株主還元について、またアフリカでの事業活動なんてちょっと変わった話題などありまして、最後の質問は、元社員という女性から、社外取締役からコミットメントなど話を聞きたい、という要望でした。それはいいね、と思って聞いていたら、議長が指名したのは、これまで取締役会議長を務め、今回退任する社外役員だったのですね。「コミットメントを聞きたい」と要望されているのに、退任する人を指名してどうすんのよ、と思ったのでした。

こういうところに、今のソニー経営陣の性格が現れているような気もします。この指名は、「自分と気心の知れた人物ならば安心だ、よく知りもしない社外役員など、何を言うか分からないからやめておこう」という心の声が聞こえるようです。リスクを抑えるのはもちろん大切なことです。かつてはクリエイティビティ―に走り過ぎて、お金を稼ぐことを忘れた組織。それを立て直したのは多分こうした、慎重で細かい計算ができて地味な仕事をする人たちだったのだと思います。それが、今ひとつ高揚感に欠けた株主総会となっている要因だとしても、非難すべきことではないのでしょう。


→ 2022年の株主総会
→ 2021年の株主総会
→ 2008年の株主総会
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