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ホントは昨年の総会に出席したかった ~セブン&アイ~ [株主総会]

先週木曜日開催の株主総会、セブン&アイ・ホールディングス。

ここは去年来ていればきっと面白かったのにね、と返す返す残念ですが、長く保有しているのに株主総会に出席するのは今回が初めてです。一世代前の優等生企業。本社の大会議室にぎっしり詰め込まれた感じでの総会は、信越化学の株主総会とダブります。去年は倍ぐらいの株主が来ていたはずだけれど、同じ会場だったのでしょうか。

事業報告は、業界を代表する大企業のわりには、個人でも作れそうなスライドに、手元の資料を抜粋・棒読みしたような音声で、極めて平板な印象。信越化学と言いここと言い、過去の優良企業のひとつのパターンなのかも。配布されている事業報告もあまり見やすくなくて、たいした枚数が無いのに、見たいデータを探して何度もページをフリップしなくてはなりません。多くの事業が混在しているのだから、もう少しうまく整理して欲しいものです。

事業報告の内容をかいつまんで言うと、コンビニは好調ですが、その他は銀行を除いて構造改革中。経営方針もはっきりと「コンビニ中心」を謳って、社内組織もコンビニは事業部門を「国内」「海外」に分ける一方、デニーズやニッセンは一括りにして「専門店」となるそうです。赤ちゃん本舗とか、ロフトとか、みんなここに入るんでしょうね。

リアルじゃない小売チャネルで存在感を示さなくちゃ、という気持ちは分かりますが、ちょっと前にやたらと強調していた「オムニチャネル戦略」は迷いと焦りの象徴になってしまっている感じ。具体像がそもそもよく分かりません。ニッセンも買う必要なかったように見えますし。

と、ネガティブな側面ばかり目に付いてしまいますが、コンビニ事業は商品開発も含めて相変わらず優秀です。今後の重要課題は人材確保。労務関係にはかなりエネルギーを割くことになるのでしょう。海外展開も、アジア・アメリカ共に頑張って頂きたいです。

株主質問はイトーヨーカドー部門に集中していて、ヨーカドーの新社長は十分アピールする機会を与えられたと言って良いでしょう。北千住にお住まいという株主さん、一号店が地元にあることで愛着を持っていたのに、閉店になり、再開発でマンションになってしまってがっかり、地域に根差すと言っているのになぜ!というご意見で、拍手をもらっていました。こういう質問、株主総会らしくていいですね。

株主総会からは離れますが、この会社の社外取締役には、コーポレートガバナンスの世界では有名な、一橋大学の伊藤邦雄先生がいらっしゃいます。昨年の人事騒動で、鈴木さんを辞任させることになった社外取締役のお一人というわけです。あの人事のあり方についての評価は結局どうなのでしょうね。当時表面的には「ガバナンスが効いた」という論評がされていましたが、むしろ社外取締役の存在に疑問を感じさせる結果になったのではないか、というのが私の印象です。

私はそもそも社外取締役というものの効果には初めからきわめて懐疑的ですから、もしかすると偏った見方になっているかもしれません。が、ガバナンスの専門家が称賛する実例は、どうもよろしくない理由が存在することが、ままあるように見えてしまうのです。内紛やお家騒動に社外取締役を利用しようというような。そうでなくても委員会制度や社外取締役制度などに熱心な企業は、衣食足りて礼節を知る、じゃありませんが、成長のステージが終わり、形を整えることにエネルギーを注ぐ段階に入ったのだな、という印象を受けます。投資対象としては、あまり好材料ではないというのが正直な感想です。

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