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子会社化するってこういうこと ~ ローソンの株主総会 [株主総会]

株主総会が6月に集中しているからと言って、昨年6月の末以来一度も出席していないとは自分でも思っていませんでした。3月が忙しくて出られなかったせいでしょうか、それにしても久しぶりです。

昨日出席したのはローソンの総会。三菱商事の子会社となってしまったので、もう面白いことは起こらないんだろうな、と思ってはいたんですが、この感想を表現したような株主質問が相次ぎました。

まず前期の業績はイマイチ。売り上げは伸びたけれど減益。そして株価も過去2年ほど、だらだらと下がってきている。だから何となく不満の溜まっている株主が多い、というのがこの総会のトーンです。悪いことに競合のファミリーマートが、会社組織の大きな改変などとともに公開買い付けを発表して、株価が急伸しているのです。

直接「株価を何とかしろ」 という発言や、怒鳴るのが目的で発言してるのかと思うような困った株主もいましたが、それらも含めて4人ぐらいの株主が、色々な表現で伝えたかったことは、サラリーマン然とした経営陣に対する不満なのです。箇条書きにしてみると、
 将来展望が抽象的すぎる。具体的に説明してほしい。
 戦略、施策が他社の後追いみたい。昔はもっとローソンらしさがあった。
 今さら銀行などやってどうするのだ、現場を知らなすぎるんじゃないか。
 株主に対して魅力を十分訴えられていない。ワクワク感がない。
 三菱商事の方を見て経営しないでほしい。

皆さんおっしゃる通り、確かに会社の回答はどれも何となく抽象的で、美辞麗句できれいにまとまっているんですね。大企業から人事異動でやってきたエリートサラリーマンの匂いがぷんぷんするわけです。小売業らしい泥臭さがないんです。取締役の経歴をみれば、基本は皆さん三菱商事のサラリーマンですから無理もありません。三菱商事ではないものの、社外取締役も然り。

三菱商事出身でも以前の新浪社長などは、自分であれをやりたいこれをやりたい、というアイデアマンでらっしゃいましたから、発言にインパクトがありました。それを覚えているから、このような批判になるのでしょう。何某かの小売りの現場を知っている株主ならば、きわめて頼りない、という感想を持つでしょう。大いに理解できます。

ただ私に言わせれば、商事の子会社になるというのはこういうことですよ。経営の質が変わるのは仕方ないのかな、と。泥臭くやれと言われてもなかなか難しいと思うので、むしろ商事の子会社としての強みを活かすという発想の方がいいかもしれません。この成熟経済ですし、コンビニという業態も既に成熟に近づいているとすれば、成長はそこそこでも、今の高い配当を維持してくれれば私は不満は申しません。とはいうものの、銀行設立の件、今から始める金融業の展望についてはもっと説明が必要ですね。

そのほか良い質問と思われたものを列挙しますと、 
① 無人店舗の展開について。 店舗を無人化するというより、スマホを用いた決済の無人化システムを導入するそうです
② 新規オーナーの不足に対する施策について。 既存のオーナーに複数店舗持って経営基盤を築いてもらう。
③ なかなか収益化しない中国進は考え直すべきではないか、という意見。
④ 食品廃棄物を寄付に回すなどして社会貢献できないか。 これについては過去に試みたことがあるが、時期尚早で無理だったとのこと。

総会のお土産はローソンで使えるプリペイドカードです。株主優待に欲しいと言った株主もありましたが、私はその分現金配当貰う方が良いですね。まあそういう回答でしたけど。


→ 2017年の株主総会
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