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シーズン最後の集中日は、村田製作所 [株主総会]

昨日の村田製作所で、今シーズンの総会は打ち止め。映像を見ると、結構出席者がいらっしゃいますね。京都の会社なので、オンライン化のお陰で初めて参加が可能になりました。

株主に気を使う必要のない会社の一つ。エレクトロニクス業界で、多くの日本メーカーの存在感が希薄になった今も競争力を維持し、確固たる地位を守っています。ケチをつけるとすれば、保守的過ぎるバランスシートと株主還元方針ぐらいのものでしょう。

その昔、セラミックは陶磁器だから日本が得意なのだ、焼き物の技術だから部品を分解しても真似できないのだとどこかで読んで、なるほどと思いました。セラミック部品と言えばほかにTDKや京セラが大手ですが、セラミック部品の競争力を強化することに一番集中してきたのがこの会社だと言えるでしょう。株価は去年、ようやくドットコム・バブル時の高値を抜いて、上昇基調です。

株主の質問は、株式分割や自社株買いなど、株主還元に関わることが多いですね。でも、そういうことにはあまり熱心ではないのです。初めに言ったように、株主に媚びる必要がありませんから。質問にも、かなり正直に回答していたと思います。今は自社株買いよりも投資が大事だから、と。株主還元は配当中心が基本。DOE(株主資本配当率)4%以上…って、現時点で下限辺りですから、業績が悪化しても、配当が下がる可能性は極めて低いってことですね。

株式分割というのは、株価が高くなると、個人投資家にとって買いにくくなるので分割しよう、ということになるわけですが、こちらもあまりやりたくはなさそう。「株式分割の目的の一つは、株式の流動性を高めることでしょう? でも、うちの会社、これ以上流動性高める必要なんてあります?」と言われちゃうと、おっしゃる通りというしかありません。

事業環境について長い目で見ると、皆さん地政学リスク、つまり「中国」が心配なのです。でも、これは誰にとっても難しい問題です。機動的な対処に努める、というのが精いっぱい、奇策はありません。

最後は役員・管理職の女性比率についての質問です。女性管理職比率は現在8%。低いという認識はあるけれど、その辺の年代は女性の採用が少なかったんだからしょうがないという、これも正直なお答え。普通日本の大企業は皆そう思っているはずです。はっきりとは言いませんけどね。

基本は人種・性別にこだわらぬ人事、などというと極めてまっとうなようですが、女性の比率を上げようと思うならば、それでは足りないのです。「優秀な女性だから登用しよう」という意識では比率は多分上がりません。でもこの会社の目標は2030年度末までに10%ですから、特に意欲的というほどでもありません。先ほど株主還元に関して言及した「DOE 4%以上」というのと同じで、特段の努力をしなくても達成できる水準のように思えます。

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