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こんな時の株主総会その2 LINE [株主総会]

こんな時の株主総会、26日木曜日はLINE。
これ、可愛いでしょう。会場で配っていました。

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こんな時ですから会場は閑散、広いホールに50人もいないように見えます。最前列は私を除いて若い人ばかり。奥の端のほうは背広姿、ビジネスの関係の株主でしょうか。反対側の端にはインテリ風の面持ちの男性二人連れ。ど真ん中には在宅勤務中の大企業サラリーマン、という感じの男性。もう一人はオタク・ファッション全開といいますか、Tシャツにジーパン、坊ちゃん刈の男性です。2列目より後ろは老若男女、女性も結構いらっしゃいます。こんなに少ないと、つい参加者を観察したくなってしまいます。

ここの株主総会は今回が最終回。せっかく投資したというのに、あまりにも短いお付き合いでした。まもなくZホールディングス、かつてのヤフーですが、そこと経営統合して、LINEという上場会社はなくなってしまいます。今あるLINE株にはTOB*がかかり、全株式が買収されます。嫌だと言っても、放っておくと現金になって手元に届くのです。

一般的な事業報告のあと、どうして経営統合するのか、大変よく説明していただきまして、その経営判断については納得いたしました。要は、グローバルな競争で生き残るために規模が必要ということです。そして納得した結果、持ち株を売らされる既存株主。「スクイーズアウト」という方式なのだそうですが、締め出す、という意味ですね。

つまりこの株主総会というのは、LINEのビジネスが将来的に成長していくための戦略について株主に説明し、その結果株主は、その成長の機会に参加する選択肢を与えられないまま追い出されるのを納得させられる、という不思議な会なわけです。

買収価格は上場後の最高値よりも高く設定されています。それが十分に高くて既存株主が皆満足、ということなら良いのでしょうが、将来性に期待してリスクを取ろうと決めた投資家にとっては、どちらかと言えば残念な話でしょう。保有している会社が買収や合併で事業再編されると、新しい会社の株主になれたりすることもあると思うのですが、スクイーズアウトはそれを許さないのです。

そもそもLINEは上場していると言っても、7割以上を親会社が保有したままという会社ですから、マーケットで買って持っている株主というのは、親会社のやっている儲け話にちょっと参加させてもらっていたという恰好のようにも見えます。それで親会社の気が変われば追い出されることにもなるわけですね。

Q&Aで、LINEの株主で良かったと思える日は来るのでしょうか、と質問している株主さんがありました。IPOで、5人のお子さんそれぞれのために買ったのだそうです。子どもと共に会社の成長を見守る、って素敵なお話ではありませんか。でも質問を聞いていて、この方、自分がスクイーズアウトされることを理解してらっしゃらないのではないかとちょっと思いましたので、そのあと私が質問という形で確認させていただきました。株主はTOBに応じて売却する以外、実質的に選択肢はないのですよね、と。だって、もし誤解していて、期待を持ったまま家に帰る株主がいたら、かわいそうではありませんか。

LINEという会社が良い企業だったかどうかは、実はあまりよくわかりません。ただ、成長株らしい成長株があまりにも少ない日本市場の中で、成長市場のメインプレーヤーだから、とりあえず投資してみたわけです。成長市場の動向を知ることもできるだろうと、株主総会も楽しみにしていたのです。TOBで戻ってきた資金で新生Zホールディングスに投資すればいいじゃないか、とも言えますが、それはやはりまた別の会社です。新しくなってから改めて考えるしかないでしょう。

気になるど真ん中のTシャツの方も質問なさいました。ゲームコンテンツに関わる内容。期待に違わず、オタクっぽさ漂う質問で、私には理解できませんでした。バンダイナムコの総会をほうふつとさせます。(笑) 

その他にも、もう自分の投資先ではなくなるというのに、事業に関する質問がいくつか。こんな時の株主総会に出席する株主は、さすがに皆さん真面目です。

最後の質問は、今年は株主優待ないのでしょうか、と。回答は言わずと知れたこと。もうこれから株主ではなくなる人たちのために優待なんて…。


TOB(Take Over Bid)
⇒ あらかじめ期間や株数、価格を公開したうえで、市場を通さずに株式を買い取る行為。
詳しくはネットで検索してください。いろんなサイトにヒットします。
ただ、通常はTOBで売りたくなければそのまま保有できるのですが、今回のスクイーズアウトでは、その選択肢が実質的にないということになります。


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こんな時の株主総会その1 花王 [株主総会]

こんな時の株主総会、25日水曜日は花王でした。
こんな時なので、会場に入るところで検温。サーモグラフィというんでしょうか。そして当然のように手指の消毒。会場内はスカスカに並べられた椅子。でも、快適ですね、隣との距離が離れているって。通常に戻ってもこんな風だと嬉しいです。

社外取締役、向井千秋さんのすぐ前に席を取りました。宇宙飛行士なんて頑強な体をイメージするわけですが、小さい方だったので意外でした。テレビで拝見するとたいてい一人で映りますから、イメージが独り歩きしてました。

増配にこだわる花王、2019年度で30期連続を達成しました。売上は減収となってしまいましたが、10期連続営業増益とのことで、相変わらずの優等生ぶりです。年度後半、消費増税もありましたし、HK情勢や米中摩擦などもあってインバウンドが不振だったようです。

製品分野別の動向は、「メリーズ(紙おむつ)の低調を化粧品がカバーした」年だったそうです。紙おむつの含まれる「ヒューマンヘルスケア」の利益が107億円減ったのに対し、化粧品部門が137億の増益になっています。メリーズの不振はインバウンド客の減少と関連していまして、一時期中国からの客が転売目的で大量に日本で購入していたものが減っているのです。2017年のピーク時は元高も手伝って、転売は非常に利が乗っていたようですが、その後転売に課税されるようになったり元が安くなったりで、需要が減りました。インバウンドの特需ははげ落ちたけれど、紙おむつはグローバル市場ではまだまだ成長に期待しているとのこと。

化粧品の好調は、何か目立ったヒット商品があるわけでもなさそうで、絞り込んだブランドの戦略が上手く行っているのでしょう。アジアでの売り上げが好調、とのこと。化粧品のページに、新製品として「ファインファイバーテクノロジーを応用」と注釈のついた美顔器なのか何なのかよくわからないものが掲載されています。その「ファインファイバー」というのが新技術らしいのですが、何だかよくわからないので質問してみました。

読んで字のごとく「微細な繊維」。それを吹き付けて人口皮膚のようなものを積層させる、という発想です。写真のあった製品は一種のスキンケアのパックのようなものみたいですが、ゆくゆくは医療用の治療に使えるようにしたいのだそうです。もう15年来研究している技術で、発想のタネは紙おむつに使われる不織布です。もっと違う不織布が出来ないものかというところから始まったという話でした。医療分野でモノになれば面白いですね。

新型コロナウィルスについて、花王はどう思っているのか、何ができるのか、という話もありました。もちろん薬を作っているわけではありませんが、菌の研究や衛生環境を作る研究は元からやっているわけで、界面活性剤は類似の菌の繁殖力を抑えるのに有効だそうですよ。新型コロナウィルスに有効かどうかは研究が待たれるといったところ。

感染しないために手洗いとマスクが有効、というのはもう常識なんでしょうけれど、マスクの効用のうち「手が顔に触れるのを防ぐ」ということも案外大事だよ、と。花王の調べによると、女性は平均して1分に1回顔を触るんですって。本当でしょうか。

ウイルスは口から入っても胃に入ってしまえば大丈夫なんだそうですが、喉の上気道に付いたウイルスが拡散しないようにする研究も・・・ということでお湯に溶かして飲む粉末の製品が「総会みやげ」に入ってました。喉が潤う、ということのようですが、感染防止に効くかどうかは分かりません。

写真は創業間もない1890年に発売した花王石鹸。木箱に入ってます。復刻版、商品化してほしいですね。

→2017年の株主総会
→2013年の株主総会

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下げ相場で何してる? [投資スタイル]

相場の話はあまり書かないようにしているんですが、こんな時に何も書かないのも不自然なので、前回の続編という感じで、このところの下げで考えていたことを少し書きます。

下げている途中に、一部銘柄の入れ替えをしました。売るときには税金のことを考えてる、と前々回に書きましたが、マーケットが高いときは売却益が多く出てしまうので、なかなか売れません。株価が安くなると、売却益が減って売却損が増え、合わせ切り*がしやすくなるので、前々からやりたかった入れ替えを実行したわけです。

同時に、普段は割高で買いにくいと思っている優良な銘柄を買いました。さらに、3月末が近いので、期末に高い配当の出る銘柄も買いました。配当が出た後、株価が下がってしまうという心配はあるかもしれませんが、良い銘柄を買っているつもりなので、そのうち下がった分は埋め合わされるでしょう。下がったまま売りたくなったら、それはその時で、売却損がまた合わせ切りに利用できます。

その後さらに下がったので、自分が思っていたよりも大きく下がった銘柄の中から、配当利回りを中心に選んで、また少し買いました。で、「今ここ」です。この先さらに下がった時のために、底値で一番突っ込みそうな銘柄は、買わずにとってあります。(笑) こうして最後まで取っておく銘柄は、買いそびれてもいいんです。もっとマーケットがひどくなった時に、少しぐらい楽しいことがあったほうがいいですからね。それでもまだ下がったら、多分インデックスを買うと思います。

今日はまた株価指数の上昇幅がすごいですね。(今、前引け。) 市況解説には、日銀のETF買いとか、ソフトバンクの自社株買いとか、需給関係のことしか出て来ませんが、ファンダメンタルズはどうなのでしょう。

もちろんこれで底を打ったかどうかなんて、全然わかりません。ただ、オリンピックが延期の方向で動き出したこととか、治療薬の開発動向が続々と伝えられていることとか、まあ何となく、不透明感が少し薄まったかな、という気分じゃないかと思います。どうなるか全然わからない、というのがマーケットには一番悪いので。

マーケットが景気の悪化をどこまで織り込んだのか、見方は色々あるでしょう。それにその景気自体も、どこまで落ち込むのかわかりません。この先、日本で感染症の拡大が爆発的に進むようなことがあれば、また一段と経済が悪化することもあり得ます。いつも申し上げているように、シナリオはできるだけたくさん用意しておくことです。そしてあとは、感染拡大を阻止すべく、自分にできることをきちんとやりましょう。


合わせ切り*= 利益が出ている銘柄と損が出ている銘柄を同時に売って売却益(損)を減らすこと

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買い場はいつ?底値はどこ?…誰だって知りたい [投資スタイル]

日経平均が2万円を割り、1日の下げ幅も結構大きくなって、そろそろ買ったほうがいいの? とソワソワする投資家も、日ごとに増えているのではないでしょうか。

こういう時に、今買い場ですか?いつ買い場ですか?底値はいくらですか? などなど、聞きたくなるのはごく自然なことです。そしてその答えをせっせと用意するお仕事の方もいらっしゃるでしょう。ただ、先のことは分からない、という冷たい現実をお忘れなく。その分からない未来とどうやって付き合っていくか。それが投資のコツというか、心構えということだと思います。

底値というのは誰だって知りたいけれど、底はつく前は分かりません。ついた後に振り返って分かるものです。ですから、底値を買おうなどとは最初から思わないで、底値じゃなくても仕方ない、と思って買うことにしましょう。

買うべきタイミングは、人によって色々です。例えば、安くなったら買いたいとずっと思っている意中の銘柄がある場合。経営指標がどれも優れていて、長年優秀な業績が続いているような銘柄は、だいたい人気もあって株価の評価はいつ見ても高いものです。そんな銘柄は、まだ下がると思っても、少々早めに買うのがいいかもしれません。安く買えるタイミングなんて、偶にしか遭遇できないものです。こういう時、買ってしまうまでは落ち着きませんからね。

こんな状況は、以前に「落ちてくるナイフを掴む」というタイトルで書きました。そのあと更に下がってもいいんです。将来は上がると思っているわけですから。もしかするともっと高い株価で買っていたかもしれないんですから。

特に意中の銘柄がないならば、別に急ぐことはありません。十分安いのであれば買おう、という気持ちならば、買い逃してもそれほど残念でもないでしょう。マーケット全体、自分が想像していたよりはるかに安くなった、というところまで粘ればよいのです。

どの銘柄を見ても安くて魅力的でいちいち選んでいられない、というぐらいになったら、インデックスを買うというのもいいかもしれません。私は普段あまりインデックス投資はしませんが、どの銘柄を見ても安くて目移りする状態だった時に買ったインデックスファンドを、いくらか保有しています。

また、これからどんどん保有を増やしていこうという人と、すでに投資残高の多い人とは、やはり買い場に対する考え方が違ってくると思います。同じマーケットを見ていても、見る人によって見えるものが必ずしも同じものではないのです。

さて、今の金融市場。株価はかなり下がったと言えば下がったのですが、コロナウィルスの影響までは測り切れていない、といったところではないでしょうか。どのくらいのダメージになるのか、当然私にだってわかりませんが、今の株価が示すよりもさらに深刻な影響があるかもしれない、というつもりではいます。

「パンデミック」と今日宣言されたようですが、今ある悪い出来事も、いつまでも続くわけではない、ということも忘れずにいましょう。

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